広告のクリック率(CTR)は、掲載されるフォーマットや媒体の種類によっても大きく異なります。主な広告形式である検索連動型広告、ディスプレイ広告、SNS広告それぞれの平均CTRの違いと、その特性・活用法について解説します。
検索広告のCTR(リスティング広告)
検索広告とは、ユーザーが検索エンジンでキーワードを入力した際に検索結果ページ上部などに表示されるテキスト広告のことです(GoogleやYahoo!のリスティング広告)。検索広告のCTRは他の広告形式と比べて高めに出る傾向があります。
- 平均CTR: 一般に検索広告の平均クリック率は約2~6%程度と言われています。ユーザーの検索クエリ(意図)が明確であるほどクリック率も高くなりやすく、特に指名キーワード(ブランド名を含む検索)ではCTRが5~10%に達するケースもあります。一方、一般的な商標・汎用キーワードでは2~5%程度が標準的な範囲です。
- 特徴: 検索広告はユーザーのニーズが顕在化しているタイミングで表示されるため、広告内容が検索意図にマッチしていれば高い確率でクリックされます。例えば「引っ越し 見積もり」と検索したユーザーには引っ越し業者の広告が出るため、興味関心が直結しCTRも上がりやすいのです。CTRに影響する要素としては、広告の掲載順位(通常、上位に表示されるほどCTRは高い)、広告文の関連性、キーワードと広告のマッチ度などが挙げられます。
- 活用法: 検索広告でCTRを最大化するには、適切なキーワード選定と魅力的な広告文作成が肝要です。ユーザーが検索しそうなキーワードを網羅し、それぞれに合った広告文とLPを用意することでクリック率が向上します。また、広告表示オプション(サイトリンクや電話番号表示など)を活用して広告の視認性を高めることもCTR改善につながります。検索広告は費用対効果も高いため、まず重視すべきフォーマットと言えるでしょう。

ディスプレイ広告のCTR
ディスプレイ広告とは、Webサイトやアプリ上に表示される画像バナーやテキスト、動画などの広告です。代表例としてGoogleディスプレイネットワーク(GDN)や各種ニュースサイトのバナー枠、アプリ内広告などが挙げられます。ディスプレイ広告のCTRは検索広告に比べると低めに出るのが一般的です。
- 平均CTR: 業種にもよりますが、ディスプレイ広告の平均クリック率は約0.3~1.0%程度とされています。全業界平均では0.5%前後とのデータもあり、検索広告より桁違いに低い数値です。これは1万回表示されて数十回クリックされる計算です。ただし、不動産業界のようにビジュアル訴求が強い広告では1%を超えるCTRを記録することもあります。逆に専門サービス系では0.1%台にとどまるケースもあります。
- 特徴: ディスプレイ広告はユーザーがニュース記事を読んでいたりアプリを使用しているときに表示されるため、ユーザーの興味が広告に向いていない状態で露出する場合が多いです。そのため同じ表示でもクリック率は低くなりがちです。ただ、視覚的にインパクトがある広告はブランディングや認知度向上には寄与します。またリマーケティング(サイト訪問履歴のあるユーザーへの追跡広告)では、一般配信よりCTRが高くなる傾向があります。
- 活用法: ディスプレイ広告ではCTRが低くても露出回数を稼いで潜在顧客にリーチする役割があります。したがって、クリック率だけでなく表示回数や間接効果にも注目して運用しましょう。CTRを少しでも上げるには、ターゲティングの精度(興味関心や訪問履歴などで絞り込む)と魅力的なバナーデザインが重要です。例えば動きのあるアニメーションバナーや動画を用いると目を引きやすくなりCTR改善に寄与します。また、一般的にスマホよりPCのほうがディスプレイ広告CTRは低めなので、デバイス別に入札を調整することも検討しましょう。
SNS広告のCTR(ソーシャルメディア広告)
SNS広告とは、FacebookやInstagram、Twitter、YouTube、LinkedInなどソーシャルメディア上に表示される広告です。フィード(タイムライン)上やストーリーズ、動画の合間など、フォーマットも様々ですがユーザーの興味関心データを活用した高度なターゲティングが可能です。SNS広告のCTRは媒体により差がありますが、概ね0.5~1%前後が平均的とされています。
- 平均CTR: 主要SNSの平均CTRを見ると、Facebook広告が約0.9%、Instagram広告が約1.2%、Twitter広告が約0.5%、YouTube(動画広告のクリック誘導部分)が約0.3%と報告されています。Instagramは視覚的プラットフォームだけあってやや高め、YouTubeはユーザーが動画視聴に集中しているためクリック率は低めと言えます。SNS広告はフォーマット(画像単体、カルーセル、ストーリー広告など)によってもクリック率が変動します。
- 特徴: SNS広告はユーザーの興味関心データやフォロー関係を基に配信できるため、適切に設定すれば比較的興味のある人に届きやすいです。そのためディスプレイ広告よりはCTRが高くなる傾向があります。しかし、ユーザーは友人投稿や動画視聴の合間に広告を見る形となるため、積極的なクリック行動はあまり起こしません。エンゲージメント(いいねやシェア)につながりやすい一方で、外部サイトへのクリックは慎重になるユーザーもいます。
- 活用法: SNS広告でCTRを上げるには、プラットフォームに最適化したクリエイティブが重要です。例えばInstagramでは高品質な写真や短尺動画が効果的で、テキストは短めにして直感的に訴求する方がクリックされやすくなります。Facebookでは本文テキストも読まれるため詳細な説明を加えて信頼性を出すのも一手です。また、Twitterのように拡散力のある媒体ではCTAを明確にして興味を引くコピーを書くことが肝要でしょう。 媒体ごとの平均CTR目安は以下のとおりです。
- Facebook 約0.9%(フィード型。画像+テキストのバランスが大事)
- Instagram 約1.2%(フィード型。ビジュアル重視でテキスト少なめが効果的)
- Twitter 約0.5%(プロモツイート。テキスト中心だが画像やカードで補強すると良い)
- YouTube 約0.3%(TrueView動画の外部リンクCTR。動画自体の視聴が主目的のため低め)

これらはあくまで平均値ですが、SNS広告ではターゲットの精度や広告の内容によってCTRが大きく上下します。たとえば、Facebookで趣味嗜好を細かく絞った広告は平均以上のCTRを出すことも珍しくありません。また、SNS特有のユーザーとの対話やコメントも発生するため、CTR以外の反応にも目を配る必要があります。
以上、広告フォーマット別にCTRの比較と特徴を解説しました。検索広告はCTRが高く費用対効果が高い反面、ディスプレイ広告はCTRは低いがリーチ拡大に有効、SNS広告はその中間でターゲティング次第といった傾向があります。それぞれの長所短所を理解し、自社のマーケティング目標に合わせた媒体選定を行うことが大切です。たとえば認知拡大フェーズではディスプレイやSNSで幅広く露出し、顕在層の刈り取りには検索広告で高CTR・高CVRを狙う、といった使い分けが効果的でしょう。
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