ユーザーの検索意図を正しく把握するためには、体系立てた調査(リサーチ)方法が欠かせません。闇雲にコンテンツ制作を始める前に、まずはユーザーニーズを調査・分析しましょう。ここでは効果的な検索意図の調査方法をステップごとに解説します。
1. 検索結果(SERP)の傾向を読み解く
最初のステップは、実際に検索してみることです。狙っているキーワードをGoogleで検索し、上位に表示されているページの内容や形式を観察しましょう。検索結果(SERP)はユーザーの意図を映し出す鏡です。上位表示されているということは、それらのページがユーザーの検索意図を満たしている可能性が高いからです。
例えば、「〇〇 使い方」というキーワードで検索したときに動画や画像付きのリッチなコンテンツが多ければ、ユーザーは視覚的に理解したいのだと推測できます。逆にテキスト中心のQ&Aページばかりなら、簡潔な回答や専門的な説明を求めているのかもしれません。このように、検索結果から得られる情報をもとに「ユーザーは何を求めてこの検索をしているのか?」を考察します。
チェックポイント
- タイトル・スニペット: 上位ページのタイトルやディスクリプションにどんなキーワードや表現が使われているか。例えば「比較」「おすすめ」「価格」などの語が多ければ、比較検討や商品選択の意図があると読み取れます。
- コンテンツ形式: 動画、画像、リスト記事、Q&A形式など、どのような形式が目立つか。形式はユーザーがどう情報を得たいかのヒントになります(動画なら「手順を見たい」、リスト記事なら「複数の選択肢を知りたい」など)。
- SERPフィーチャー: 強調スニペット(直接回答が表示)、「People also ask(他の質問)」ボックス、地図(ローカル検索)、ニュース枠などが出ているか。これらもユーザーの関心領域を示します。例えば「People also ask」に表示される関連質問は、ユーザーがそのトピックで次に疑問に思うことの集合と言えます。
こうしたSERPの傾向分析によって、大まかな検索意図を掴んだら次のステップに進みます。「検索結果に自分が提供しようとしている内容と近いものが並んでいるか?」を確認することは特に重要です。もし方向性がずれていると感じたら、キーワード選定やアプローチを再考する必要があります。
2. サジェストキーワードと関連キーワードの活用
次に、サジェストキーワード(検索補助候補)と関連キーワードを調べます。これらはユーザーが実際によく検索している語句であり、検索意図の手がかりが詰まっています。
サジェストキーワード: Googleの検索窓にキーワードを入力した際に表示される候補リストです。たとえば「SNS マーケティング」と入力すると「SNS マーケティング 方法」「SNS マーケティング 成功事例」などが表示されるかもしれません。これらはユーザーがそのテーマで特に知りたいことを反映しています。サジェストに現れるキーワードを分類・整理すると、ユーザーニーズのまとまり(クラスター)が見えてきます。「どのような観点で情報を探している人が多いのか?」を把握し、自社が提供できる情報とのマッチングを考えましょう。
関連キーワード(LSIキーワード): 検索結果ページの一番下に表示される「関連検索キーワード」や「他の人はこちらも検索」も要チェックです。これらはあるキーワードを検索したユーザーが続けて検索したキーワードである場合が多く、検索意図を深掘りするのに役立ちます。例えば「○○ソフト 価格」で検索した人が関連検索で「○○ソフト 評判」「○○ソフト 代替」といったキーワードも調べているなら、その人は価格だけでなく評判や他製品との比較も気にしていると推測できます。
関連キーワードから検索意図の解像度を上げる作業も重要です。主となる検索キーワードだけ見ていたのでは漠然としていたユーザーニーズが、関連語を見ることで具体的にイメージできます。複数の関連キーワードに目を通し、それぞれに潜む検索意図を推測していくことで、「ユーザーは最終的に何を解決したいのか」がよりクリアになるでしょう。
関連記事
ユーザーの検索意図を徹底解説!SEO効果を最大化する調べ方と活用法に戻る

3. Q&Aサイト・口コミサイトで生の声をリサーチ
検索結果やキーワード候補から分かることに加えて、ユーザーの生の声に直接触れることも有効です。そこで活用したいのがQ&Aサイト(Yahoo!知恵袋、教えて!goo、OKWaveなど)や商品レビュー・口コミサイトです。
Q&Aサイトには、ユーザー自身が感じている疑問や悩みがそのまま質問として投稿されています。例えば「SNSマーケティング 効果 出ない 理由」といった質問があれば、「SNSマーケで結果が出ず悩んでいる人が多いのだな」と分かります。このようにユーザーがどんな言葉で何を聞いているかを知ることで、上位サイトの内容にはない切り口や具体例が得られることがあります。特に専門性が高いジャンルでは、初心者がつまずくポイントや勘違いしやすい点などが質問から浮かび上がり、それを記事に反映すれば非常に実践的なコンテンツになるでしょう。
また、価格.comの口コミやAmazonレビュー、専門フォーラム、TwitterなどSNS上での声も参考になります。ユーザーが実際にそのテーマや商品について語っている内容から、期待値や不満点、よくある質問を洗い出してみましょう。例えば「使ってみたけど〇〇が分かりにくかった」といった声が多ければ、「〇〇の分かりやすい解説」をコンテンツに盛り込むなどの対策が考えられます。
4. キーワードリサーチツールでデータを収集
手作業での調査に加えて、専用のキーワードリサーチツールも活用しましょう。ツールは網羅的かつ効率的にデータを収集するのに適しています。いくつか代表的なツールとその使い方を紹介します。
- Googleキーワードプランナー: Google広告のツールですが、特定キーワードの月間検索ボリュームや関連キーワード案を見るのに使えます。検索意図を調べたい主キーワードを入力し、関連語やその検索数をチェックしましょう。ボリュームが大きい関連語ほど多くのユーザーが関心を持つトピックです。
- ラッコキーワード: 日本語の関連キーワード取得に便利な無料ツールです。入力キーワードに対するサジェストや関連検索を一覧表示できます。大量のキーワードアイデアを一括で得られるため、それらを目視で確認しながら検索意図を分析します。エクスポート機能で出力し、表計算ソフトで分類作業すると効率的です。
- AhrefsやSemrushなどのSEOツール: 有料ですが強力なツールです。関連キーワードの網羅に加え、競合サイトが対策しているキーワードや上位ページのキーワードギャップ分析(競合は対応しているのに自社はしていないキーワード)なども分かります。これにより、見落としていたユーザーニーズを発見できるでしょう。
- 共起語・N-gram分析ツール: テキスト分析系のツールで、特定テーマに関する共起語を抽出できます。例えば「SEO」という単語とよく一緒に出現する単語を分析すると、「Google」「検索エンジン」「コンテンツ」「上位表示」…といった関連ワードが浮かび上がります。これら共起語の組み合わせから、「ユーザーはSEOの何に興味があるか」(効果?方法?ツール?)を推測できます。
ツールで得たデータは量が多いので、重要度の高いものに絞り込む作業も必要です。ただ闇雲に関連キーワードを盛り込むのではなく、「そのキーワードの背後にある検索意図は何か?」に立ち返って取捨選択しましょう。この点、前ステップまでのSERP分析やQ&A調査で培った洞察が役立ちます。

5. SERP以外の検索(垂直検索)や広告情報を参考にする
最後に、垂直検索(Vertical Search)やユニバーサル検索の観点も付け加えておきます。垂直検索とは、ウェブ全体ではなくニュース検索・画像検索・動画検索・地図検索など特定のカテゴリーに特化した検索のことです。実はGoogleの通常の検索結果にも、クエリによってこれら垂直検索の結果が組み込まれています。例えば画像検索結果や動画結果が上位に表示されるケースです。こうした場合、そのクエリは視覚的情報をユーザーが求めている(=例えば「どんな見た目か知りたい」「操作手順を動画で見たい」)ということが分かります。
また、検索広告(リスティング広告)が表示されるかどうかも見逃せません。広告枠に競合他社が入札しているキーワードは、商業的価値が高く購買意欲の強いユーザーが多いと推測できます。逆に広告が出ていないキーワードは情報提供が中心のニーズかもしれません。この違いを知ることで、自社の狙うキーワードが直接コンバージョンにつながりやすいものかどうか判断材料になります。広告出稿の有無に応じて、記事内でのCTAの配置や内容を工夫するなど戦略も変わるでしょう。
以上、検索意図の調査方法として代表的な手順を紹介しました。重要なのは、複数の方法を組み合わせて総合的に判断することです。それぞれの方法で得られた知見を突き合わせていけば、ユーザーの真のニーズが浮き彫りになってきます。検索意図の調査にじっくり時間をかけることは、後々のコンテンツ制作やSEO施策の精度を高める投資だと言えます。
関連記事
ユーザーの検索意図を徹底解説!SEO効果を最大化する調べ方と活用法に戻る
💡【無料相談】 もっと効率的な検索意図の分析方法を知りたい、調査した結果をどうコンテンツに落とし込めば良いか悩んでいる――そんな方は当社の無料相談をご利用ください。専門のマーケターがデータ分析から施策立案までサポートいたします。お気軽にお問い合わせを!