飲食業界サイトの直帰率平均はどれくらい?
レストランやカフェなど飲食業界のウェブサイトでは、直帰率は他業界に比べやや高め(約60%前後)と言われます。2023年のデータでは平均56.6%という値が報告されていますが、別の調査では65.5%とするものもあり、サイトの形態によって差があります。概ね50%台後半~60%台前半が飲食業サイトの直帰率の目安と考えてよいでしょう。
これはECサイト(約50%前後)などと比べると少し高い値です。実際、飲食店サイトでは直帰率が60%を超えるケースも珍しくありません。しかしこの背景には、飲食店サイト特有のユーザー行動パターンがあります。
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ユーザー行動の特徴: 多くのユーザーはお店の公式サイトにアクセスする目的が、「住所・営業時間を知る」「メニューや価格をざっと見る」といった必要最低限の情報収集です。そして目的の情報を得たら、予約電話をしたり実際にお店に行ったりと、サイト外で行動を起こします。そのため、お店の基本情報ページを1ページ見ただけで離脱(直帰)するユーザーが多数発生します。これはサイトとしては必要な役割を果たしただけとも言えます。
例えば、あるレストランのサイトに訪れたユーザーが「営業時間と場所」を確認できれば満足してサイトを閉じるでしょう。この場合そのユーザーは来店するかもしれませんが、ウェブ解析上は直帰として計上されます。このように飲食店サイトの直帰率の高さは必ずしも悪いことばかりではない点に注意が必要です。
しかし一方で、「メニューの詳細も見ずに帰られてしまう」「予約につながらず離脱されている」場合は機会損失の可能性もあります。直帰率が業界平均より極端に高いと感じるときは、以下の改善策でユーザーのサイト内回遊を促進できるか検討してみましょう。
飲食業界サイトならではの直帰率改善ポイント
飲食店サイトで直帰率を改善し、ユーザーにもう少しサイト内を見てもらったり予約などのアクションにつなげたりするためのポイントを解説します。
- オンライン予約・注文システムの導入: 店舗情報だけ見て離脱されてしまうのを防ぐには、サイト内で完結できる次のアクションを提供するのが有効です。例えばネット予約フォームやオンライン注文ページをサイトに設置すれば、ユーザーはさらにそのページへ進みます(=直帰ではなくなります)。特に予約台帳システムと連携したリアルタイム予約は便利なので、予約希望のユーザーが離脱せず行動してくれるでしょう。
- メニューページの充実: メニューをPDFで載せている飲食店も多いですが、ユーザーにとってはPDFを開いて終わり=1ページで離脱となりがちです。メニューを専用のウェブページにして、写真や値段を見やすく掲載しましょう。「ランチメニューを見る」「ディナーメニューを見る」などページを分けて誘導すると、ユーザーは複数ページを閲覧することになります。実際、最新情報を適切に更新しメニュー等を整備することで直帰率が改善した例もあります。
- 写真ギャラリーやバーチャルツアー: お店の雰囲気や料理の魅力を伝えるために、写真ギャラリーページを設けるのも効果的です。店内や看板メニューの写真を一覧で見られるページがあれば、「どんなお店かな?」と興味を持ったユーザーがそのページに進んでくれます。また最近ではGoogleストリートビューによる店内360度ビューを埋め込む例もあります。これもユーザーがインタラクティブに操作するため、直帰率を下げる一助になります。
- 最新情報やブログの活用: 飲食店のサイトでも、ちょっとしたブログ記事やお知らせを載せることでユーザーの滞在時間を伸ばせます。例えば「季節の新メニュー紹介」「シェフの食材コラム」などを記事にして投稿すれば、興味を持ったファンがお知らせページも閲覧してくれるかもしれません。コンテンツを増やして訪問ごとに発見を与える工夫は、リピーターの直帰率を下げる効果もあります。
- SNSや口コミの埋め込み: 最近ではInstagramの投稿フィードを公式サイトに埋め込んでいる飲食店もあります。SNS埋め込みは厳密には別ページ閲覧にはなりませんが、ユーザーがサイト上でスクロールして閲覧するコンテンツが増えるため即離脱の防止に役立ちます。また「〇〇で高評価4.5!」など第三者の口コミ評価を載せておくと、ユーザーの興味を引きとめつつ予約ボタンへ誘導しやすくなります。
- モバイル対応の徹底: 飲食店検索はその大半がスマートフォン経由です。スマホで見にくいサイトは、それだけで直帰率を押し上げてしまいます。文字が小さすぎないか、タップしやすいボタンサイズか、横スクロール不要か等、スマホ最適化は必須です。幸い、レスポンシブデザインの導入やGoogleマップ埋め込みなど基本を押さえれば、それほど難しくなくモバイル対応できます。モバイルでの快適さを向上させれば、ユーザーが必要情報を探し当てる前に離脱してしまうのを防げます。

成功事例・失敗事例【飲食店サイト】
- ✅ 成功事例: 地方のあるレストランでは、公式サイトのリニューアルにより直帰率が大きく改善した例があります。以前はスマホ非対応で営業時間も古いままというサイトでしたが、オンライン予約システムの導入とモバイルフレンドリーなデザインへの刷新により、直帰率が70%から45%に改善したとのことです。予約数もサイト経由で増加し、売上アップにつながりました。このケースでは、ユーザーが求める機能(予約)を用意し体験を向上させたことが奏功しています。
- ❌ 失敗例(よくあるケース): 逆によくあるのは、「サイトに訪れたけど欲しい情報が見つからず直帰」というケースです。例えば営業時間が最新ではなく実際と違った、定休日の記載がない、メニューが古かった等です。ユーザーが公式サイトで目的の情報を得られないと、食べログやGoogleマップなど他の情報源に行ってしまいます。これは直帰率が高いだけでなく、予約や注文といったアクションを他サイト経由に奪われている状態です。公式サイトで最新情報をきちんと提供し、ユーザーを逃がさないことが大切です。
成功事例から分かるように、飲食店サイトでもユーザー目線の改善を行えば直帰率は改善できます。特に予約などビジネス直結のコンバージョンに繋がる導線を強化すれば、直帰率低下と売上向上の一石二鳥が期待できます。失敗例にあるような基本情報の更新漏れは論外ですが、加えて「公式サイトでできること」を増やしていく発想が重要です。
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