用賀駅における選挙活動スポット（2025年現在）

用賀駅の構造と改札口の概要

用賀駅（東急田園都市線・DT06）は地下駅で、出口は北口・東口・南口の3か所があります。北口は「世田谷ビジネススクエア」（SBS）および用賀駅バスターミナルに直結し、東口は用賀商店街（用賀中町通り方面）に、南口は平成ビル用賀および用賀グルメ通り方面に通じています。

2023年度の1日平均乗降人員は約6万3千人と多く、駅利用者の流れは出口ごとに特色があります。各出口周辺の人通りや空間の広さに応じて、政治家による駅頭演説やビラ配布が行われるスポットも異なっています。

駅頭活動によく使われるスポットと特徴

北口（バスターミナル・ビジネススクエア前）

北口は駅直結の大規模再開発ビル「世田谷ビジネススクエア」（地上28階建て）の敷地内に位置しており、滝や噴水のある広い公開空地が特徴です。バスターミナルも併設されており、上用賀・世田谷通り・用賀中町通り方面への多数の東急バス路線の起点となっています。このため朝夕の通勤通学時間帯にはバス乗換客やオフィス勤務者など人通りが多く、広めの駅前空間を活かして政治家が街頭演説しやすいスポットとなっています。

実際、東京都議選期間中の2021年7月には、立憲民主党の枝野代表や蓮舫氏らが候補者応援のため15:30に用賀駅北口前で街頭演説を行っています。このように北口は大規模な応援演説や人垣ができる集会型の演説にも利用されてきました。

また北口はSBS地下1階と駅改札階が直結しており、駅出入口は半屋外の吹き抜け構造になっています。駅施設と一体化した空間のため、駅構内と私有地をまたぐ位置取りには注意が必要ですが、基本的にはバスターミナル側の公共スペースで演説や挨拶を行うケースが多いようです。

東口（用賀商店街側）

東口は駅を出るとすぐに商店街の通りに繋がる出口です。朝の東口は、駅から学校へ向かう中高生が多く通行するエリアで、通勤客だけでなく学生への訴えかけが可能なスポットです。実際、2024年5月にはある衆院候補が**「今朝は用賀駅東口にてご挨拶させて頂きました。

朝の東口は駅から学校に向かう中高生も多い」と述べており、朝の時間帯に東口で街頭活動を行う様子が報告されています。東口を出た先の用賀商店街（用賀中町通り）は平日15～18時・休日12～18時に歩行者専用道路となり、人通りが多い夕方でも安全にチラシ配布や対話がしやすい環境です。

周辺にはスーパーのフジ用賀店**（駅東口から徒歩1分）やドラッグストア、カフェなど生活利便施設が並び、帰宅時に買い物客も集まるため夕方の演説にも適しています。実際、地方議員候補が夕方に「用賀のフジスーパー前」にて街頭演説を行った例もあり、東口周辺（フジスーパー付近）は買い物客にビラを配るスポットとしてもしばしば利用されています。

南口（用賀グルメ通り側）

南口は用賀駅南側の地上に出る出口で、駅前から**「用賀グルメ通り」と呼ばれる商店街が伸びています。この通りには飲食店やカフェが立ち並び、リーズナブルで人気の店舗が多いため昼夜問わず一定の人通りがあります。

また南口すぐには大型スーパーのOKストア用賀店があり、品揃えと安さで地域住民が多く訪れるスポットです。周辺は閑静な住宅街が広がり家族連れや学生の姿も多い地域で、地元住民に直接訴えかけやすい場所と言えます。南口の駅出入口自体は昭和期からの比較的こぢんまりした構造ですが、地下1階の改札階には一部屋根無しの吹き抜け広場状スペースも設けられています。

南口前の道路（都道427号）沿いには店舗が連なりますが歩道はやや狭くなっているため**、朝の通勤時間帯などは演説位置に配慮が必要です。それでも朝の駅頭挨拶スポットとして南口を選ぶ政治家も多く、実際に東京都議選候補者が平日7:30～9:00に「用賀駅南」で朝の街頭活動を行った記録があります。南口側は主に地元住民や近隣学校関係者への訴求を狙った朝夕の挨拶運動や個人演説に使われることが多いと言えます。

駅頭演説の時間帯と過去の事例

時間帯としては、**平日朝の通勤通学ラッシュ（7時半～9時頃）に各候補者が駅頭に立つケースが最も一般的です。用賀駅でも朝の時間帯に各出口で挨拶運動が行われており、例えばとある都議候補者は連日7:30～9:00に用賀駅南口や東口で朝立ち（朝の駅頭演説）を実施しています。また夕方～夜間の帰宅ラッシュ時（16～19時台）**にも演説が行われ、買い物客や仕事帰りの人々にアピールする機会となっています。以下に過去の主な事例を挙げます。

• 2021年7月2日（都議選最終盤） – 15:30頃、用賀駅北口前にて立憲民主党の枝野幸男代表、蓮舫氏らが集結し、世田谷区選出候補（風間ゆたか氏）応援の大規模街頭演説。平日昼間ながら駅前広場に支持者や買い物客が集まり、北口が演説会場として活用された。
• 2022年1月18日（平日朝） – 世田谷区選出の自民党区議団が「世田谷殿の13人」と称し一斉街頭活動を実施。用賀駅前では若宮健嗣防衛副大臣（当時）も参加し、朝7:30から駅頭演説を実施。北口・東口付近に党所属議員ら計十数名が立ち、有権者に政策を訴えた。
• 2024年5月27日（平日朝） – 衆院東京5区（世田谷区）候補の維新所属政治家が用賀駅東口で朝の挨拶運動を実施。「東口は中高生も多いが、皆笑顔で挨拶を返してくれる」と活動報告。東口での朝立ちにより若年層にもアプローチした様子。
• 2024年1月12日（平日夕方） – 衆院東京5区候補の維新所属政治家が用賀フジスーパー前で街頭演説を実施。新年会行事の合間を縫って地元有権者の声を聞き、防災無線廃止への懸念など地域課題のヒアリングも行った。東口近くのスーパー前という生活動線上で夕方に訴える典型例。

以上のように、朝の通勤通学時間帯と夕方の帰宅時間帯が用賀駅では主要な街頭演説タイムとなっています。平日昼間にも選挙期間中であれば政党幹部を招いたスポット演説が開催されることがあります。週末には駅前で候補者がマイクを握る姿も見られ、用賀駅は終日、選挙活動に活用される拠点と言えます。

選挙活動スポットとしての利点と留意点

用賀駅が選挙活動に適している理由として、まず駅利用者数が多く訴求効果が高いことが挙げられます。先述のように1日平均6万人以上が利用する駅であり、通勤客から学生・買い物客まで幅広い層に直接アプローチできます。また出口ごとに異なる人の流れがあり、北口ではバス乗換客やオフィスワーカー、東口・南口では地元住民や学生・買い物客などターゲット層を絞った訴えかけが可能です。さらに北口のように比較的広い駅前スペースがある場所では、大勢のスタッフや聴衆を伴う演説会も開催しやすく、周囲への動線誘導もしやすい利点があります。東口商店街側も時間帯によって歩行者天国となるため、安全に演説や握手活動ができる環境が整っています。

一方で留意すべき点もあります。南口周辺のように歩道が狭い場所では通行の妨げとならない位置取りが重要であり、街頭演説中も通行人の流れに配慮する必要があります。また用賀駅北口のように駅ビル私有地と接する場所では、駅や施設管理者との協議のうえ境界線付近で活動することが望ましいでしょう。選挙期間中であっても、駅構内（改札内）は私有地のため基本的にビラ配り等は行えず、公道上で活動します。警察との調整も必要に応じて行われ、例えば街頭で長時間ビラ配布をする際には管轄の玉川警察署から道路使用許可を取得することが求められます（東京23区内でのチラシ配布の道路使用許可申請手数料は一律2,100円）。こうしたルール遵守と関係各所との協力のもと、候補者たちは用賀駅で効果的かつ節度ある選挙活動を展開しています。