50代の在宅テレアポスタッフであるEさん(53歳)は、今日も自宅のワークスペースで仕事を開始しました。Eさんはコールセンター勤務の経験を持つ2児の母。現在はパートタイムで在宅テレアポの仕事をこなし、家庭との両立を図っています。ここでは、Eさんの一日の流れを追いながら、在宅出張買取テレアポのリアルな働き方をご紹介します。
(※Eさんは1日5時間・週5日勤務のケースですが、人によって勤務時間や日数は様々です。自分のペースに合わせて調整できるのも在宅ワークの利点と言えるでしょう。)
朝:仕事の準備と架電開始
8:30 Eさんは朝食と家事をひととおり済ませ、子供たちと夫を送り出した後、自分の仕事の準備に取りかかります。在宅ワーク用に設置したノートパソコンとヘッドセットをセットし、部屋着から動きやすい服装に着替え、身だしなみを整えてオンとオフの切り替えをします。コーヒーを淹れてデスクに着きました。自宅の一角には資料やノートがまとめてあり、小さなコールセンターさながらの環境です。
8:50 会社指定のウェブシステムにログインして、当日のコールリストを確認します。今日は50件の顧客リストが割り当てられており、画面にはお客様の名前や過去の連絡履歴が表示されています。Eさんは昨日までにアポイントが取れた件数や、前日に断られたお客様のメモをざっと見返し、気持ちを整えました。「よし、今日も頑張ろう」と小さくつぶやき、笑顔で電話をかけ始めます。
9:00 一件目の電話発信。最初のお客様は70代の女性でした。Eさんが名乗り、不要品の買取サービスを案内すると、「ちょうど片付けをしようと思っていたのよ」と興味を示してくれました。Eさんはチャンスと感じ、「査定は無料で行えますので、ぜひお気軽にご利用ください」と丁寧に説明。話が弾み、10分ほどの会話の末に翌週の訪問査定の約束を取り付けることができました。朝一番でアポ獲得に成功し、Eさんはホッと一息。「この調子で次も頑張ろう」と気合いを入れ直します。
9:30 二件目以降も順次電話をかけていきます。中には留守電になっている番号や、電話に出ても話を聞いてもらえないケースもあります。10:00頃、4件目に電話した50代の男性には「そういう電話は間に合ってるから」と早々に切られてしまいました。Eさんは深呼吸して気持ちをリセット。「こういうこともあるわよね」と気を取り直し、次の番号にかけます。
10:30 数件電話をかけた後、8件目のお客様との通話。最初は警戒気味だった声が、「古いカメラがあるけど売れるかしら?」と徐々に相談モードに変わっていきました。Eさんは「ぜひ拝見させてください。カメラも人気のお品ですよ」とお答えし、具体的な訪問日時の打ち合わせに進みます。こうして午前中だけで2件のアポイントを獲得しました。

昼:休憩と振り返り
12:00 午前の架電を一通り終え、Eさんはお昼休憩を取ります。キッチンで簡単な昼食を済ませながら、午前中の通話を振り返ります。メモしたお客様の反応をノートにまとめ、「このフレーズは響いたな」「この方は次回もう一度連絡してみよう」など反省点と手応えを整理します。在宅勤務なので上司や同僚と直接会話はできませんが、成果や状況はチャットツールでチームに共有されます。チームメンバーから「朝イチで2件はすごい!」とスタンプが送られてきて、Eさんは思わず笑顔になりました。
13:00 午後の業務スタート。午前に繋がらなかったお宅へ再度電話したり、新しいリストの架電に取り掛かったりします。午後一番のお客様は「今は時間がないからまた後で」と言われたため、Eさんは「かしこまりました。では改めて夕方にお電話いたしますね」と一旦切り、リストに再架電の時間をメモしました。
午後:アポイントのフォローと後半戦
14:00 お昼過ぎは留守のお宅も多く、なかなか電話が繋がりません。それでも数をこなすうちにようやく会話ができる相手に当たりました。15件目に連絡した60代の男性は最初渋っていましたが、「1分だけ時間を下さい」と切り出して話を聞いてもらい、「即決いただく必要はありませんので、お話だけでも聞いていただけませんか」と伝えることで相手のプレッシャーを軽減し、会話を続けやすくしています。不要なゴルフクラブがあるとのことで、こちらも訪問査定の約束をゲットします。
15:00 先程断られた方へのフォローコール。お約束通り「また後で」と言っていたお客様にお電話すると、「時間を作って待っていたわよ」と応じてくれました。忙しい合間を縫って話を聞いてくださったその方には丁寧にお礼を伝え、短時間で要点だけご案内します。惜しくもアポにはつながりませんでしたが、「また何かあれば連絡しますね」と最後に言ってもらえ、Eさんも「ありがとうございます!よろしくお願いいたします」と明るく電話を終えました。直接の成果にはならなくても、前向きな感触がある電話は次の励みになります。
16:00 夕方が近づき、本日の架電ノルマも終盤です。最後の数件に電話をかけていきます。16:30、本日50件目のお客様との通話を終え、Eさんの本日のコール業務が完了しました。結果はアポイント3件獲得。内心「今日は上出来!」と小さくガッツポーズ。3件の成果はそのまま歩合給にも直結するため、努力が報われたと感じられる瞬間です。Eさんは5時間のシフトで平均2〜3件のアポを取っており、社内でも標準的な成果を安定して出せています。
夕方:報告とプライベートタイム
16:45 本日取れたアポイントの詳細をオンラインの報告フォームに入力します。訪問日時やお客様の住所・連絡先、会話内容の要点などを社内システムに記録し、担当する査定スタッフや上司へ共有します。テレアポ業務はアポイントを取って終わりではなく、次に繋ぐまでが仕事です。Eさんは「明日のスタッフさん、うまく買取成立するといいな」と思いながら報告を完了しました。
17:00 すべての業務を終え、Eさんはパソコンをシャットダウン。仕事モードから家庭モードへと切り替えます。子供たちが帰宅するまでのわずかな時間、趣味のガーデニングをしたり、ニュースを見たりしてリラックスしました。在宅勤務のおかげで通勤時間がゼロのため、夕方以降の時間を有効に使えるのが嬉しいポイントです。かつて満員電車で通勤していた頃には得られなかったゆとりです。

Eさんが感じるやりがいと課題
夕食の支度をしながら、Eさんはふと今日一日の出来事を振り返ります。電話越しとはいえ、お客様から直接「助かるわ」「ありがとうね」と感謝の言葉をもらえる瞬間に、この仕事の大きなやりがいを感じるそうです。実際、今日アポイントを取ったお一人からも「最近家の片付けに困っていたから助かるわ」と感謝され、Eさんは思わず笑みがこぼれました。「誰かの役に立てている」と実感できることが、明日への原動力になります。
一方で、在宅のテレアポには課題もあります。電話を切ったあと、誰にも共有できず一人きりだと、嬉しい時も落ち込んだ時も気持ちの持って行き場に困ることがあります。Eさんはその対策として、取得アポ数などの目標をチャットで報告し合ったり、同僚とオンラインで雑談できる場に参加したりして、孤独感を溜め込まない工夫をしています。さらに、家族にも仕事への理解を求めています。部屋の扉に「通話中」の札を掛け、急ぎでない限り話しかけないでもらうよう事前に約束しています。在宅とはいえ、勤務時間中は会社の一員として臨むための大事なルールです。また、在宅ならではのハプニングとして、まれにインターネット回線の不調で通話が途切れてしまうこともあります。実際Eさんも一度だけ通話中に音声が聞こえなくなり、お客様に「もしもし…?」と言われてしまった経験がありました。その際はすぐに再発信してお詫びし、無事に会話を続けることができたそうです。また、長時間座りっぱなしになるので、1時間に一度は立ち上がってストレッチをするよう心がけています。自分の健康管理も在宅ワークでは自己責任です。
体験を通して見えたもの
Eさんの一日を通して、在宅出張買取テレアポの現場感を掴んでいただけたでしょうか。電話でアポイントを取る仕事は決して楽なことばかりではありませんが、自分のペースで働けて成果が目に見えるやりがいのある仕事です。EさんもEさんがこの在宅テレアポを始めてから、早いもので1年が経ちました。当初は「自宅で本当に仕事になるのかな?」と不安も抱えていたそうですが、少しずつ成功体験を積み重ねるうちに自信が芽生えたと言います。Eさんも「最初は不安もあったけれど、今ではこの仕事を通じて人の役に立てるのが嬉しい」と笑顔で語っています。今後も経験を積みながら、自宅にいながらより多くの方の力になれるよう、Eさんは日々奮闘していきます。在宅で活躍する先輩アポインターの姿は、これからこの仕事に挑戦する方にとっても大きな励みとなるでしょう。
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