テレアポ(電話営業)でアポイント獲得の成功率を高めるカギは、事前に用意するトークスクリプトにあります。場当たり的な電話トークでは平均成功率がわずか1%前後とも言われるテレアポの世界で、効果的な台本(スクリプト)を準備することで成果を大きく伸ばすことが可能です。本記事では、テレアポのトークスクリプトの基本から作成手順、成功率を上げるポイントや具体的な例文までを徹底解説します。新人の方でも明日から実践できる内容になっていますので、ぜひ自社の営業活動にお役立てください。
テレアポのトークスクリプトとは?
テレアポのトークスクリプトとは、電話営業で顧客と話す際の台本のようなものです。営業担当者が電話で話す内容や流れをあらかじめ文章化・マニュアル化したもので、誰が電話しても一定の品質でトークできるようにするための指針です。
多くの企業でテレアポ実施前にスクリプトを用意しており、「最初に何を伝えるか」「よく聞かれる質問への回答」などを整理しています。これにより新人でもスムーズに架電でき、組織全体で統一した営業トークを展開することができます。
トークスクリプトを準備するメリット・デメリット
まず、トークスクリプトを活用するメリットから見ていきましょう。
営業パフォーマンスの向上
台本があることで挨拶や導入トークに迷わず臨めるため、特に新人や経験が浅い担当者でも落ち着いて電話に臨めます。トークの骨子が定まっている分、本題に集中しやすくなり成功率向上に寄与します。組織全体で一定のトーク品質を維持でき、テレアポ全体の底上げにもつながります。
新人育成と業務効率化
スクリプトを共有することで新人教育が効率化し、現場デビューまでの時間短縮になります。新人でも「勝ちパターン」を再現しやすく、早期に戦力化しやすい利点があります。ベテランも含め、皆がスクリプトを使うことでノウハウを組織で共有しやすくなります。
ミスの削減・トラブル防止
あらかじめ話す内容を決めておくことで、言い忘れや言い間違いなどのケアレスミスを減らせます。特に法令遵守やクレーム回避の観点でも、NGワードを外したスクリプトを使えばトラブルの防止につながります。
一方で、スクリプト活用には注意すべきデメリットもあります。
会話の硬直化
台本通りに話すあまり、臨機応変な会話がしにくくなる恐れがあります。「相手の発言に柔軟に対応できない」「マニュアル的すぎて不自然」といった印象を与えると逆効果です。
スクリプトへの依存
スタッフがスクリプトに頼りすぎると、台本がないと対応できなくなる可能性があります。あくまで土台として活用しつつ、その場の状況に合わせたアレンジ力も養う必要があります。
以上を踏まえ、メリットを最大限活かしつつデメリットを補う運用が大切です。次章から具体的な作り方とトークの流れを見ていきましょう。
テレアポ成功率が上がるトークの基本フロー(構成例)
成果の出るテレアポでは、通話開始から終了まで一定のパターンがあります。ここでは代表的なトークの流れをステップごとに解説します(※商材やターゲットによって順序や内容は適宜アレンジしてください)。
挨拶・自己紹介
第一印象で警戒心を解くステップです。会社名と自分の名前に加え、「何の目的で電話したのか」を簡潔に伝えます。過度に丁寧すぎると時間を奪われる印象を与えるため、シンプルかつ明るいトーンで名乗りましょう。
例:「お世話になっております。◯◯のサービスをご提供しております△△株式会社の○○と申します。」
つかみ(導入トーク)
相手の興味を引くフロントトークです。いきなり本題に入る前に、「この電話を聞くメリットがありそうだ」と感じてもらう一言を伝えます。相手にとってのメリットや具体的な数字を盛り込み、「話を聞く価値がありそう」と思わせる工夫がポイントです。
例:「本日は、御社の◯◯コストを最大30%削減できる新サービスのご案内でお電話いたしました。」
本題(サービス紹介・ニーズ喚起)
提案する商品・サービスの概要と、相手にとっての利点を説明するステップです。ただしこちらが一方的に話し続けるのはNG。一通り概要を伝えたら、質問を織り交ぜて相手の課題や関心を引き出すようにしましょう。相手が話すきっかけを作ることで、双方向のコミュニケーションになり興味を持ってもらいやすくなります。
例:「新サービスでは◯◯の課題解決に取り組んでおりますが、御社では現在△△についてお困りのことはございませんか?」
切り返し( objections対応 )
相手から質問や否定的な反応があった際の対処パートです。よくある質問・断り文句を事前に想定し、回答例をスクリプトに用意しておきましょう。例えば「今は間に合っているので…」と言われたら、「承知しました。他社様の事例も交えてご説明だけでもいかがでしょうか?」など柔らかく提案する、といった具合です。ここで無理に食い下がるのは逆効果なので、一度引いて別の角度からメリットを提示できると理想です。
クロージング(アポイント提案)
テレアポのゴールであるアポイント獲得を切り出す段階です。強引に迫らず、「相手の判断に委ねる」表現で提案するのが成功率アップのコツです。例えば「ぜひ使ってみませんか?」ではなく「もしご興味あれば資料をお送りしましょうか?」のように、相手が「ノーと言いやすい」選択肢を与えると安心感を持ってもらえます。相手がYesの場合は日程調整へ進み、Noの場合でも「資料送付だけでもいかがでしょうか」と次につながる提案を用意しておくと良いでしょう。
日程調整・締め
アポイント取得に成功したら、具体的な商談日時の調整を行います。候補日をこちらから2つ程度提案し、相手の都合を伺います(例:「来週〇日の午後か〇日午前でしたら空いておりますが、いかがでしょうか?」)。日時が決まったらお礼を伝えて通話を終了します。断られた場合も、「ご多用のところありがとうございました。また機会がありましたらよろしくお願いいたします。」と丁寧に締めくくりましょう。
以上が基本的な流れです。このフローに沿ってスクリプトを用意すれば、話す内容が整理されテレアポ成功率が格段にアップするはずです。
トークスクリプト作成のポイントとコツ
次に、実際にトークスクリプトを作る際に押さえておきたい重要ポイントを紹介します。成功する台本を作るためのコツを一つひとつ見ていきましょう。
① ゴール(目的)の明確化
スクリプトを作成する前に、「このテレアポで理想的な相手のアクションは何か」をはっきりさせましょう。テレアポの目的は通常「商談のアポイント取得」ですが、場合によっては**「資料送付の許諾」や「訪問日時の確約」**など企業ごとに着地点が異なります。目指すゴールを台本に明記しておくことで、会話がブレずに済み、不本意なアポ(質の低い見込み客)を取ってしまうリスクも減らせます。
② ターゲットのニーズを事前分析
闇雲に電話しても成果は出ません。想定顧客の課題やニーズを事前に洗い出し、それに沿ったトークを組み立てましょう。例えば対象が法人なら「業界共通の課題は何か」、個人相手なら「年代や家族構成ごとの悩みは何か」を調査します。相手が「自分ごと」と思える話題から入ることで関心を引きやすくなります。特定の企業に電話する際は、ニュースやHPをチェックしてその企業固有の状況も把握しておくとベターです。
③ 会話フローに沿ったスクリプト構築
前章で示したフロー(挨拶~クロージング)に沿って、各パートのセリフ案を作成します。ただし注意したいのは、スクリプトはあくまで骨子だということです。最初から最後まで全て書いた通りに読むのではなく、必要な部分で活用できる柔軟性を持たせましょう。想定される展開ごとに複数パターンのトークを用意し、状況に応じて切り替えられると理想的です(フローチャート形式でパターン分岐をまとめておくのも有効です)。
④ 質問や傾聴を織り交ぜる
スクリプトにはこちらが話す内容だけでなく、要所で投げかける質問も盛り込みましょう。一方的な説明にならないよう、「〇〇でお困りではありませんか?」など相手の声を引き出す問いかけを用意することで、会話らしいキャッチボールが生まれます。また相手の返答に対するリアクション(「そうなのですね」「承知しました」といった相槌)もシナリオに織り交ぜ、「自然な対話」を演出できるようにします。
⑤ 言葉遣い・トーンのルール決め
スクリプトには文章表現だけでなく、話し言葉のニュアンスも反映させましょう。たとえば語尾を「〜ですよね」「〜でしょうか?」と柔らかい口調にする、笑声(えごえ)で明るく話す、といった点です。実際に「そのまま読めばOK」くらい詳細に書き込んだスクリプトにすることで、誰が話してもブレない品質になります。ただし話し方のニュアンスまで固定しすぎると、かえって棒読みになってしまう恐れもあります。新人のうちは細かく指示を書き、慣れてきたら箇条書き程度にするなど、習熟度に応じて台本の細かさも調整すると良いでしょう。
⑥ 相手によってアプローチを調整
作成したスクリプトは相手のタイプに応じてアレンジが必要です。同じ内容でも、受付経由で繋いでもらう場合と直接担当者が出る場合、法人と個人、高齢者と若年層などで受け止め方は変わります。例えば法人営業で受付突破が必要なら、受付向けの「関係性を匂わせる一言」を用意する(「以前△△様にお世話になりまして…」等)と繋いでもらいやすくなります。このように話す相手に合わせて言い回しを変えるパターンも考えておきましょう。
⑦ 架電のタイミングを意識する
スクリプト自体とは離れますが、電話をかける曜日や時間帯も成功率に影響します。一般に月曜朝一や金曜夕方は避け、水~木曜の午前10時前後や午後2~4時頃が繋がりやすいとも言われます(業種によります)。こうしたベストな架電タイミングのノウハウも踏まえ、「●曜日の午後にはこの一言を付け加える」といった工夫をスクリプトに書き添えておくのも一手です。
テレアポトークスクリプトの例文【テンプレート】
ここでは、実際に使えるテレアポトークスクリプトの例文テンプレートをご紹介します。法人向けと個人向けで話法が異なるため、それぞれのシーンを想定した例を用意しました。自社のサービスに合わせて適宜アレンジしてご活用ください。
法人向けテレアポのトークスクリプト例
状況: BtoB商材の提案電話。まず受付に繋がり、担当者に取り次いでもらった後の想定です。
挨拶(受付): 「お電話ありがとうございます。△△株式会社でございます。」
あなた: 「お世話になっております。〇〇(自社製品カテゴリ)を提供しております▲▲株式会社の○○と申します。御社の新サービスご担当の△△様はいらっしゃいますでしょうか?」
(担当者に繋いでもらう)
挨拶(担当者): 「もしもし、△△です。」
あなた: 「お忙しいところ恐れ入ります。改めまして、私▲▲株式会社の○○と申します。突然のお電話失礼いたします。」
つかみ: 「本日お電話しましたのは、御社の◯◯の業務効率を約○%向上できる方法をご案内したくご連絡差し上げました。御社と同業の他社様で導入が進んでいるサービスなのですが…」
担当者: 「具体的にはどんなサービスですか?」
本題トーク: 「はい、弊社では◯◯向けのソリューションとして△△というサービスをご提供しています。例えば御社のような〇〇業界の企業様では、人手による作業コストを削減しつつ業績アップを実現した事例がございます。◯◯様(相手)のお悩みを伺いながらご説明できればと思うのですが、今現在〇〇のプロセスでお困りの点などございますでしょうか?」
担当者: 「そうですね、確かに△△の部分は手間がかかっていて…」
あなた: 「承知しました。その点、弊社サービスですと△△のプロセスを自動化でき、平均で○%のコスト削減に成功しております(実績数字を提示)。もし詳しいご紹介の機会をいただければ、御社向けに具体的なシミュレーション結果もお持ちできるかと思います。」
クロージングへの誘導: 「つきましては、ぜひ一度お時間をいただき、オンラインかご訪問にて詳しくご説明させていただければと存じます。来週以降で△△様のご都合の良いお日にちはございますか?」
担当者: 「では来週○日の午後なら…」
あなた: 「ありがとうございます!では◯月◯日◯時に、お時間頂戴いたします。当日は私○○が御社にお伺いいたします。後ほどメールでも詳細をお送りいたしますので、ご確認ください。本日はお忙しいところありがとうございました。それでは失礼いたします。」
ポイント: 法人向けでは受付攻略と決裁者への取り次ぎが一つのハードルになります。上記例では「同業他社で相談を受けている」「資料請求のお礼で連絡した」等、受付に対して関係性を感じさせるフレーズを盛り込むことで繋いでもらいやすくする工夫が考えられます。また、担当者との会話では数字や具体例を出しつつ、相手の課題をヒアリングする形で進めると効果的です。最後は相手に断りやすい提案をし、無理なくクロージングしましょう。
個人向けテレアポのトークスクリプト例
状況: 個人宅向け商材のテレアポ。ターゲットは一般消費者(例:保険商品など)のケースです。
あなた: 「もしもし、朝早くから恐れ入ります。私、○○保険の代理店の△△と申します。突然のお電話で大変恐縮なのですが、○○様のお住まい地域の皆様に向けて新しい保険商品のご案内でお電話差し上げました。」
相手: 「保険は間に合っているので…」
つかみ: 「そうですよね、皆さま最初はそうおっしゃるのですが、実は今回ご案内の保険は平均で毎月の保険料を20%節約できる可能性があるものなんです。お子様がいらっしゃるご家庭ほどご関心いただいておりまして…」
相手: 「20%も安くなるんですか?」
本題トーク: 「はい、例えば今ご加入のプランを見直すことで無駄な保障を省き、必要な補償を手厚くしながらコストダウンできる内容です。差し支えなければ現在のご家庭状況や保険のお悩みを少しお聞かせいただけますか?」
相手: 「子どもが2人いまして、学資保険を検討中です…」
あなた: 「なるほど、それでしたら◯◯という商品がピッタリかもしれません。実際にこの商品で○○様と同じようなお子様二人のご家庭が毎月1万円以上保険料を削減できたケースもあります。詳しくお話をさせていただきたいのですが、今お時間10分ほどいただけますでしょうか?」
相手: 「少しなら…」
クロージング: (10分程度商品の概要とメリットを説明した後)「ありがとうございます。ぜひ一度資料をお持ちしてご説明できればと思います。今週末か来週平日の夜にご訪問のお時間いただけませんか?」
相手: 「では来週火曜の19時に…」
あなた: 「承知いたしました!では◯日(火)19時頃にお伺いいたします。本日はお忙しい中お電話にてお話を聞いてくださりありがとうございました。それでは失礼いたします。」
ポイント: 個人宅向けでは最初の10秒で「セールス電話だけど聞く価値があるかも」と思ってもらえるかが勝負です。相手が電話を切るまでの猶予はわずか数秒とも言われます。そのため、つかみ部分で生活に関連するメリットや興味を引くキーワードを入れることが大切です。上記例では「保険料20%節約」「お子様がいる家庭向け」というフレーズで興味を引いています。個人相手の場合は電話口に出た時点で決裁者(世帯主など)のことも多いため、法人より成功率は高め(1~2%程度)ですが、その分迷惑電話だと思われてすぐ切られるリスクもあります。明るくハキハキと話しつつ、相手のペースにも合わせることが信頼感につながります。相槌や共感を交え、「押し売りではない安心感」を与えられるよう努めましょう。
トークスクリプト運用術:成功率をさらに高めるには
一度完成したスクリプトも、運用しながらブラッシュアップしていくことが重要です。テレアポは実践の中で改善点が見えてくるため、以下のポイントを意識してスクリプトを育てていきましょう。
定期的な見直しと改善
現場でテレアポをこなす中で、「このフレーズは響きが悪い」「こう聞かれたら答えられなかった」など気付きが出てきます。担当者からフィードバックを集めたり、通話録音を分析したりして、スクリプトに都度追記・修正を行いましょう。少なくとも月次で成果を振り返り、良かったトーク・失敗したトークを整理してアップデートすることで、シナリオの精度が向上します。
ABテストで効果検証
トークの言い回しや順序について迷ったら、ABテストで検証するのも有効です。例えば「つかみ」の文言をパターンAとBで半々のリストに試し、アポ率に差が出るか確かめます。データに基づいて良い方を採用し、さらに別の要素も試す…というサイクルで、スクリプトはどんどん洗練されていきます。
成功事例の共有
アポ獲得に成功したトーク内容は積極的にチーム内で共有し、スクリプトに取り入れましょう。「この一言でぐっと興味を持ってもらえた」「こう切り返したらアポに繋がった」など、現場の知見は財産です。逆にうまくいかなかったケースも共有し、「次はこう言ってみよう」という改善策を皆で考えます。こうした現場発のノウハウを集約することで、組織全体のテレアポ力が底上げされます。
相手目線で常にアップデート
時代やターゲットのニーズ変化に伴い、有効なトークも変わっていきます。定型句に固執せず、最新のトレンドや競合他社の提案内容なども研究して、常に相手に刺さるトークかどうか見直しましょう。例えば最近なら「DX」「コスト最適化」といったキーワードに関心が高まっている業界もあります。スクリプトが古いままだと効果も頭打ちになるため、柔軟にアップデートしていく姿勢が大切です。
まとめ:トークスクリプトでテレアポ成功率を飛躍的に向上させよう
テレアポにおいてトークスクリプトは、営業担当者の強力な武器となります。平均成功率が数パーセント以下といわれる電話営業でも、適切に練られたスクリプトを用意しトークを磨き上げることで、トップクラスのアポインターは5~10%もの高いアポイント率を実現しています。ぜひ本記事で紹介した作成のポイントや例文を参考に、自社に合ったトークスクリプトを作成・運用してください。最初は試行錯誤かもしれませんが、改善を重ねていけば必ず質の高い台本が完成します。そしてそのスクリプトが、あなたのテレアポ成功率を飛躍的に高め、安定した商談獲得へ導いてくれることでしょう。

