直帰率とは
直帰率とは、Webサイトを訪れたユーザーのうち最初の1ページだけを見て離脱した割合を示す指標です。言い換えれば、サイトに訪問したが他のページには遷移せずにそのまま離れてしまったセッションの割合を指します。直帰率は通常「直帰したセッション数 ÷ 全体のセッション数 × 100(%)」という計算式で求められます。例えば、あるページに100回のセッションが発生し、そのうち50回が1ページのみ閲覧して離脱した場合、そのページの直帰率は50%です。
直帰率はランディングページ(最初にアクセスしたページ)ごとに算出されることが多く、Googleアナリティクスなどのアクセス解析ツールでは各ページの直帰率を簡単に確認できます。この指標によって、そのページが訪問者の興味・ニーズを引き留められたかどうかの度合いを測ることができます。

直帰率の目安と重要性
直帰率の数値はサイトの種類やページの目的によって大きく異なりますが、一般的には40~60%程度が標準とされています。情報収集を目的としたブログやメディアサイトでは比較的高め(50%以上)になる傾向があります。一方、通販サイト(ECサイト)やサービス紹介サイトでは、ユーザーに複数ページを閲覧してもらい最終的な購入・問い合わせにつなげることが重要なため、直帰率は低い方が望ましいとされています。参考までに、業界別ではECサイトで20~45%、BtoBサイトで25~55%程度が直帰率の目安というデータもあります。
なぜ直帰率が重要かというと、せっかくサイトに集客したユーザーをどれだけ繋ぎ留められたかを示すからです。仮に広告や検索エンジン経由で多くのユーザーを集めても、直帰されては次のページ(商品情報や問い合わせフォーム等)に進んでもらえず、成果に結びつきません。直帰率が高すぎるページがある場合、それは機会損失が発生している可能性を意味します。特に中小企業にとって広告予算やSEO労力は貴重ですから、訪れたユーザーを無駄にしないためにも直帰率を改善して回遊率を上げることが大切です。
ただし直帰率は高ければ必ず悪い、低ければ必ず良いというものでもありません。たとえばブログ記事など一つのページ内でユーザーの疑問が解消し満足して離脱した場合(直帰した場合)は、直帰率が高くてもユーザーの目的は達成されています。このようにコンテンツの性質やユーザーの意図によって直帰率の良し悪しは変わり得るため、数字だけで一喜一憂するのではなく文脈を踏まえて判断することが重要です。
直帰率が高い原因を探るには
特定のページの直帰率が他よりも高い場合、そのページにはユーザーを引き留められない何らかの原因が潜んでいる可能性があります。データ分析のアプローチとして、まず直帰率が高いページと低いページを比較してみましょう。直帰率が極端に低いページは、訪問者が求める情報を提供できており「もっと見たい」と思わせる優れたページである可能性が高いです。一方、直帰率が高いページは、コンテンツの内容・質やデザイン、導線に何らかの問題点があるかもしれません。
直帰率が高い原因を探る具体的なポイントとして、以下のような点をチェックします。
- 流入経路とコンテンツのミスマッチ: ユーザーがどの経路(検索キーワード、SNS、広告など)でそのページに来たのかを確認し、その期待にコンテンツが応えているかを検証します。広告の訴求内容や検索キーワードと、ランディングページのタイトル・見出しにズレがあると、ユーザーは「求めていた情報と違う」と感じてすぐ離れてしまいます。
- ファーストビューでの訴求不足: ページを開いて最初に表示される範囲(ファーストビュー)で、ユーザーが「このサイトには自分に有益な情報がありそうだ」と判断できるかが重要です。ファーストビューにおいて魅力的な見出しや要約、誘導ボタンが欠けていると、ユーザーの関心を引けず直帰につながります。逆に適切なキャッチコピーやビジュアルで価値提案を明確に示すことで、ユーザーをもう少し読み進めさせることができます。
- ページの読み込み速度やUIの問題: ページ表示に時間がかかりすぎると、ユーザーは内容を見る前に離脱してしまうことがあります。またスマートフォン対応が不十分でレイアウトが崩れていたり、ポップアップが過剰で煩わしかったりすると直帰を招きます。技術的な問題でユーザー体験が損なわれていないか確認しましょう。
- 次のアクションが明確でない: ランディングページにおいてユーザーに取ってもらいたい次の行動(他のページへの導線やCTA)が示されていない場合、ユーザーは進みようがなく離脱してしまいます。例えば商品紹介ページであれば「詳細を見る」「お問い合わせはこちら」といったボタン、ブログ記事であれば関連記事へのリンクや資料請求の提案など、ユーザーの導線を用意することが重要です。
これらの観点から問題点を洗い出すことで、「なぜ直帰されてしまうのか」の仮説を立てることができます。仮説に基づきコンテンツ内容やページ構成を改善し、その結果直帰率がどう変化するかを計測していくことが大切です。直帰率はユーザーの正直な反応を表す指標とも言えますので、改善を重ねることでユーザー満足度の向上にもつながっていくでしょう。

直帰率を改善するには
直帰率の改善(=ユーザーのサイト回遊促進)には、上で述べた原因に対応する具体的な施策を講じます。以下に主な改善策をまとめます。
- ランディングページの内容最適化: 流入キーワードや広告の訴求に合わせて、ページのタイトルや見出し、冒頭部分の内容を見直します。ユーザーが求める情報や解決策を冒頭で提示し、「このページには読む価値がある」と感じてもらうことが第一歩です。
- ファーストビューの改善: ページを開いて最初に見える範囲に、重要なメッセージや魅力的な要素を盛り込みます。具体的にはキャッチコピーの強化、訴求力のある画像や動画の配置、目立つCTAボタンの設置などです。ユーザーにとって分かりやすく行動を促すデザインにしましょう。
- 内部リンクとナビゲーション強化: ページ内に関連コンテンツへのリンクやバナーを設置して、ユーザーが次にどこへ進めばよいか提案します。特にブログ記事であれば文末に関連記事を紹介したり、サービス説明ページであればケーススタディや料金プランページへのリンクを配置したりすると効果的です。また全ページ共通のナビゲーションメニューやフッターリンクも整理されているか再確認し、サイト内検索機能の導入も検討しましょう。
- ページ表示速度の向上: 画像圧縮やキャッシュ利用、不要なスクリプトの削除など技術面でページの軽量化を図ります。表示が速くなることでユーザーのストレスを減らし、離脱を抑制できます。特にモバイルユーザーは回線速度の影響も受けやすいため、モバイルでの最適化は必須です。
- モバイルフレンドリー対応: レスポンシブデザインの採用や、端末ごとのUIテストを行い、スマートフォンやタブレットでも快適に閲覧できるようにします。ボタンが小さすぎて押せない、テキストが小さく読みづらいといった問題がないか確認し、必要に応じて改善します。モバイルからの直帰率が高い場合、特にこの対応が有効です。
- ポップアップや広告の適正化: 訪問直後に大きなポップアップ(メルマガ登録の誘導や広告バナーなど)が出る設定は、ユーザーの離脱を招きやすいので注意が必要です。本当に必要なタイミングかつユーザーの役に立つ提案だけに絞り、過度な干渉を避けます。
これらの施策を実行した後は、再度直帰率を計測して改善効果を確認します。地道なチューニングの積み重ねですが、直帰率が下がっていけばサイト全体のエンゲージメントが向上し、ひいてはコンバージョン増加にもつながるでしょう。特に直帰率改善はコンバージョン率の向上に直結するケースが多く、訪問してすぐ離脱していたユーザーがページ遷移してくれるようになることで、問い合わせや購入の母数が増える効果があります。
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中小企業のサイト運営では、一つひとつの訪問を成果に結びつけることが重要です。直帰率の改善はそのための基盤固めとも言えます。自社だけで改善が難しいと感じたときは専門家の力を借りるのも有効です。サイトの構造やコンテンツを俯瞰してプロが分析することで、見落としていた改善点が発見できるかもしれません。
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