ページ表示速度を改善する方法

記事の内容
ページ速度に影響を与える主な要因
まず、なぜページ表示が遅くなるのか原因を理解しましょう。表示速度低下の要因はいくつかありますが、主なものを挙げると以下の通りです。
- 大容量の画像・動画: 高画質な画像や動画ファイルは読み込みに時間がかかります。適切に圧縮されていなかったり、必要以上に大きな解像度のメディアをそのまま使ったりすると、ページ全体が重くなり表示が遅延します。
- 外部ファイルの読み込み: Webページ上で複数の外部リソース(CSSやJavaScript、フォントなど)を読み込むと、その都度ブラウザはサーバーにリクエストを送り応答を待つ必要があります。外部ファイルの数やサイズが多いほど通信往復が増え、結果として表示完了までの時間が長くなります。特に大きなJavaScriptファイルは処理負荷も高く、レンダリングの足かせになることがあります。
- 不要なタグやフォント: アクセス解析や広告配信のためのタグをページに埋め込みすぎていたり、Webフォントを多用していたりすると、その分追加の通信や処理が発生します。タグのスクリプト読込やフォントデータ取得に時間を要し、表示が待たされる原因となります。
- サーバー側の問題: サーバーのスペックや設定も速度に直結します。低性能なサーバーや他サイトとリソースを共有するレンタルサーバーだと、サーバーの応答そのものが遅かったり他サイトの影響で処理が滞ったりすることがあります。またサーバーとの通信プロトコルが古いHTTP/1.1のままだと同時転送数が限られるため、HTTP/2以降に対応することで改善するケースもあります。
- HTTP未暗号化通信: 現在ほとんどのサイトはSSL化(HTTPS化)されていますが、もし未対応だと通信の効率面で損をしている可能性があります。HTTPSを導入することで通信の最適化が図られ結果的にレスポンスが速くなる場合があります(HTTP/2が利用可能になるなどのメリット)。
以上のような要因が単独または複合的に影響し、ページの表示速度を低下させます。自社サイトでどの要因がボトルネックになっているかを知るためには、前述のページ表示速度測定ツールの選び方と活用法で診断し、レポート結果から推測することが有効です。例えば「画像が重い」と指摘されたら画像最適化を優先する、といった具合に原因に即した対策を講じましょう。

具体的なページ速度改善策(画像圧縮、キャッシュ活用、コード最適化など)
それでは、表示速度を改善するための具体的な方法を紹介します。前節で挙げた原因に対応する形で、効果的な改善策をいくつか取り上げます。
- 画像の圧縮・最適化: サイト内の画像ファイルは可能な限り軽量化しましょう。専用の画像圧縮ツールやプラグインを使って、画質を大きく損なわずにファイルサイズを削減します。また、必要に応じて適切な画像フォーマットに変更するのも有効です(写真はJPEGまたはWebP、イラストやアイコンはPNGやSVGなど)。特にWebP形式は高圧縮かつ高品質を実現できる次世代フォーマットで、対応ブラウザでは積極的に活用すると良いでしょうさらに、ユーザーの画面サイズに合わせて適切な解像度の画像を配信する(レスポンシブ画像の使用)ことで、不必要に大きな画像を読み込まないようにします。
- ブラウザキャッシュの活用: ユーザーが二度目以降に訪問する際の表示を高速化するには、ブラウザキャッシュを利用します。サーバー側でキャッシュの有効期限(ExpiresやCache-Controlヘッダー)を設定すると、ユーザーのブラウザに画像やCSS等のリソースが一定期間保存されます。これにより再訪時はサーバーから改めてダウンロードしなくても済み、ページの再表示が速くなります。特にロゴ画像やCSSファイルなど頻繁に更新しないリソースは長めにキャッシュさせると効果的です。
- 圧縮転送の導入(Gzip圧縮): サーバーから送るHTMLやCSS、JavaScriptなどのテキストファイルはGzip圧縮してから配信する設定にしましょう。圧縮によりデータ容量が大幅に減るため通信時間が短縮され、結果としてページ表示が速くなります。多くのレンタルサーバーやCDNでGzip圧縮(あるいはBrotli圧縮)の機能が提供されていますので、有効にしておくことをおすすめします。
- HTML/CSS/JSコードの最適化: ウェブページのソースコードを見直し、無駄を省きます。具体的には不要な空白や改行、コメントの削除、長いコードの圧縮(Minify)などを行います。また、使われていないCSSやJavaScriptのファイル・処理が残っていれば削除します。例えば、過去に使っていたCSSライブラリのリンクだけ残っている場合や、動作していない古いスクリプトが埋め込まれている場合などは、それらが読み込みの足を引っ張るため整理しましょう。WordPressなどCMSを使っている場合、不要なプラグインを停止・削除することもコード削減につながります。
- レンダリングブロックの解消: ページの表示を妨げるリソースは可能な限り非同期化や遅延読み込みを検討します。特に問題になりやすいのがページ冒頭で読み込まれる大きなJavaScriptやCSSです。対応策としては、JavaScriptは<script>タグにdeferもしくはasync属性を付けてレンダリング後に実行する、CSSは重要なスタイル以外は遅延ロードする、などがあります。さらに、画像の遅延読み込み(Lazy Load)も有効です。初期表示で画面に見えていない画像は最初は読み込まず、ユーザーがスクロールして表示領域に入ったタイミングで読み込むことで、初期表示を軽くします。
- サーバーやネットワークの改善: ソフト面の最適化だけでなく、ハード面の強化も考えましょう。例えばレスポンスが遅い場合はサーバープランを上位に変更してCPUやメモリリソースを増強する、または表示速度が特に重要なページはCDN経由で配信して地理的な遅延を減らす、といった対策です。さらに可能であれば最新プロトコルへの対応も重要です。HTTPS(SSL化)対応やHTTP/2対応によって同時接続数の拡大や通信の最適化が行え、結果として読み込みが高速化します。
以上、代表的な改善策を挙げました。サイトによっては他にもリダイレクトの削減(不要なページ遷移をなくす)、AMPの導入(モバイル高速化手法の活用)などが有効なケースもありますが、まずは基本的な施策から取り組むのが良いでしょう。重要なのは、計測 → 改善 → 再計測のサイクルを回すことです。最初に測定ツールで現状を把握し、上記のような施策を実施したら再度スコアや読み込み時間を確認しましょう。改善前後の数値を比較することで、どの施策が効果的だったかが見えてきます。
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