オウンドメディアで顧客をファン化する方法

記事の内容
BtoC企業にとって、コンテンツマーケティングは見込み顧客との信頼関係を築く強力な手法です。特にネット上で完結する購買が増えた現在、ユーザーに役立つ情報発信を通じてファンを育てることが売上拡大の鍵となります。実際、コンテンツの質次第でユーザーが即購入につながるケースもありうると指摘されています。本ページでは、BtoC領域でコンテンツマーケティングに成功している企業事例を厳選し、その施策と成果、成功のポイントを詳しく解説します。自社メディア運営のヒントにぜひお役立てください。
BtoCコンテンツマーケティングとは?
まず簡単におさらいです。コンテンツマーケティングとは、ターゲットに有益なコンテンツを提供し、購買促進やブランドファン化を目指すマーケ手法です。BtoCでは購買までのリードタイムが短い分、良質なコンテンツが直接売上を左右します。記事、動画、SNS投稿…様々な形態がありますが、自社オウンドメディア上のブログ記事は特に取り組みやすく効果が出やすい手法として多くの企業が採用しています。それでは具体的な成功事例を見ていきましょう。
成功事例①:ライオン株式会社「Lidea(リディア)」
日用品大手のライオンが運営する生活情報メディア「Lidea」は、暮らしのお役立ち情報を網羅したオウンドメディアです。掃除・洗濯・衛生など生活者の課題を解決する記事やハウツー動画を数多く公開しています。特筆すべきは社内の知見をフル活用している点です。各部署が持つ専門知識やエビデンスをもとに、ユーザー目線でスピーディーにコンテンツ化する体制が整っており、それが成功の秘訣だと担当者も語っています。記事内容の信頼性と実用性が高いため、多くの読者を惹きつけリピーター化しています。実際、Lideaは自社サイトだけでなくFacebookやInstagram、Twitter、YouTube、そしてLINEにも公式アカウントを展開しており、LINEでは約752万もの友だち登録を獲得しています。これは生活者との圧倒的な接点数と言え、継続的な情報発信が大きなコミュニティを築いた好例です。ライオンはこうしたファン基盤を活かし、新商品告知やキャンペーン展開時に効率よく情報を届けることができています。
成功事例②:ユアマイスター株式会社「YOURMYSTAR STYLE」
ハウスクリーニングや修繕サービスのオンラインマッチングプラットフォームを運営するユアマイスター株式会社は、自社メディア「ワタシト」で生活に役立つ記事コンテンツを発信しています。掃除のコツや専門業者の豆知識など、読み物として面白く実用的な記事が充実しています。注目すべきは、その集客戦略にSEOとSNSの両面を取り入れていることです。狙ったキーワードでの記事作成に加え、記事内容に関連するテーマをTwitterやInstagramでも発信して話題化。その結果、オウンドメディア開設から1年でサイト流入数が2倍、コンバージョン数(問い合わせやサービス利用数)が6倍に伸びたと報告されています。ユーザーに有益なコンテンツを提供しつつSNSで認知度を上げる好循環を作り出した点が光る事例です。中小規模の企業でも、SNS発信を組み合わせることでコンテンツの露出を高め、より早く成果を出せる可能性を示しています。
成功事例③:クラシコム「北欧、暮らしの道具店」
北欧雑貨や衣類などを扱うECサイトを運営する株式会社クラシコムは、自社メディア「北欧、暮らしの道具店」でのコンテンツマーケティングに非常に積極的です。レシピやインテリア紹介、エッセイ漫画まで揃えたライフスタイル提案型のWEBマガジンで、多くのファンを獲得しています。一番の特徴は、記事内に自社ECの商品購入CTA(ボタンやリンク)を巧みに配置していることです。ユーザーが記事を読んで「この商品素敵だな、買いたい」と思ったタイミングですぐに商品ページへ遷移でき、そのまま購入できる導線を作っています。コンテンツの世界観に浸った読者をスムーズにショップへ誘導することで、高い転換率を実現しています。事実、同社によればメディア経由の売上がEC全体の大きな割合を占めているとのことです。コンテンツとコマースを融合させた先進的な取り組みとして、中小規模のEC事業者にも非常に参考になるでしょう。
成功事例④:株式会社マイベスト「mybest」
商品の比較検討メディア「mybest」は、消費者目線の徹底した商品レビュー・ランキングコンテンツで急成長した事例です。プロの編集部スタッフが自腹で商品を購入し、独自の視点で検証・紹介するスタイルが人気を呼びました。さらに専門家への取材やコメントも取り入れ、信頼性の高いコンテンツ設計として評価されています。その結果、サイト経由で商品を購入するユーザーも増え、自社のファンコミュニティ形成に成功しています。mybestは自社ECを持たずアフィリエイト収益モデルですが、「ユーザーのためになるコンテンツ」に徹することでブランド価値を高めた好例です。中小企業が自社メディアを運営する際も、たとえ直接の売上につながらない内容でもユーザーファーストで役立つ情報を発信し続けることが、長期的なファン獲得・収益につながることを示しています。

BtoCコンテンツマーケ事例から学ぶポイント
以上のように様々な業種・規模の事例を見てきましたが、成功しているオウンドメディアには共通点が見えてきます。それは「ユーザー視点の徹底」と「継続的なコンテンツ投入」です。専門知識やデータの裏付けがあるコンテンツはユーザーの信頼を得ますし、更新が滞らないことで常連読者が付いていきます。また可能であればSNSやメール、LINE等複数チャネルで接点を持つ戦略も有効です。ライオンのLideaやクラシコムの事例のように、一度ファン化したユーザーとは様々な場で繋がりを維持することでLTV(顧客生涯価値)の向上にも寄与します。
中小企業の皆さんも、いきなり大規模なメディア運営は難しくても、自社の強みやお客様の声を活かした小さなコンテンツからスタートできます。例えばブログで月に2本役立つ記事を投稿するところからでも構いません。重要なのは「ユーザーの役に立つ情報か?」という視点で続けることです。コンテンツマーケティング支援会社の調査でも、表面的なSEO狙いの記事よりユーザー課題解決型コンテンツの方が成果が出やすいとされています。ぜひ、自社なりのコンテンツマーケティング施策を今日から始めてみてください。

まとめ
BtoCのコンテンツマーケティング成功事例を4つ紹介しました。どの企業も試行錯誤の末に独自のメディアを成長させ、大きなビジネス成果を上げています。共通するのは「顧客本位で良質なコンテンツを作り続けた」ことに尽きるでしょう。コンテンツマーケティングは中長期的な取り組みですが、その分資産となり得る施策です。
以上、BtoCコンテンツマーケティング事例のご紹介でした。最後までお読みいただきありがとうございます。他のマーケティング施策の成功事例も気になる方は、BtoCマーケティング成功事例集もぜひご覧ください。
あなたの会社でも、まずはできる範囲からオウンドメディアを育ててみませんか?もし「何から手を付ければ…」と迷われたら、当社ではコンテンツ制作代行やメディア運用コンサルティングも行っていますので、お気軽にご相談ください。適切なキーワード設計やコンテンツ企画立案など、成果につながるお手伝いをいたします。