インフルエンサーの選び方のポイント

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効果的なインフルエンサーマーケティングを行う上で、どのインフルエンサーを選ぶかは最重要と言っても過言ではありません。適切な人選ができればキャンペーン成功の可能性が高まりますし、間違った人を選んでしまうと思うような成果が出ないばかりか、場合によっては企業イメージを損ねるリスクもあります。ここでは、インフルエンサーを選定する際にチェックすべきポイントを解説します。

インフルエンサー選定の主なチェックポイント
インフルエンサーを選ぶ際には、以下の点に注意して候補者を比較検討しましょう。
- ターゲット適合度: そのインフルエンサーのフォロワー属性が、自社の狙うターゲット層と合致しているか確認します。年齢・性別・居住地・興味関心などが近ければ近いほど、あなたのプロモーションが響く可能性が高まります。例えば若い女性向けのコスメを宣伝したいなら、同じく若い女性フォロワーが多い美容系インフルエンサーが適任です。
- 分野の専門性・親和性: インフルエンサーの発信内容が自社商品と関連する分野かどうかも重要です。旅行グッズの宣伝なら旅行系YouTuber、料理器具なら料理研究家系インスタグラマー、といったように専門性がマッチしていると説得力が増します。また過去に競合他社の類似商品を紹介していないかもチェックしましょう(競合商品ばかり紹介しているとフォロワーに新鮮味がなく響かない恐れがあります)。
- フォロワー数と影響力: インフルエンサーの規模(フォロワー数)は一つの指標です。一般にフォロワー数が多いほど一度にリーチできる母数は増えます。ただしフォロワー数が数十万~数百万クラスのメガインフルエンサーは起用コストも高額になる傾向がありますし、フォロワー層が多様すぎて特定のニッチ層には刺さりにくい場合もあります。その点、フォロワー数1~10万人程度のマイクロインフルエンサーは特定コミュニティでの影響力が強く、費用対効果が高い場合も多いです。中小企業であれば無理に最大手の有名人を起用しなくとも、自社にフィットするマイクロインフルエンサー複数人に協力してもらうことで十分な成果を上げられることもあります。
- エンゲージメント率: フォロワー数以上に注目したいのがエンゲージメント率です。各投稿に対する平均的ないいね数やコメント数をフォロワー数で割った割合で、フォロワーの反応の良さを示します。エンゲージメント率が高いほどフォロワーとの結びつきが強く、投稿に対する信頼や共感が得られている証拠です。一般にフォロワー数が多くなるほど率は下がる傾向にありますが、内容によってフォロワーがしっかり反応しているインフルエンサーを選ぶことが大切です。たとえフォロワーが10万人いても反応が薄い人より、1万人でも毎回たくさんコメントが付く人の方が影響力は大きい場合があります。
- 過去のプロモーション実績: 候補のインフルエンサーが過去に企業案件(PR投稿)を行ったことがあるか、その時フォロワーの反応はどうだったかも参考になります。PR投稿でも普段の投稿と変わらず高い反応が得られていれば、フォロワーからの信頼が厚くプロモーションが受け入れられやすい証拠です。一方、案件投稿だけ極端にエンゲージメントが低い場合や「ステマじゃないの?」と否定的コメントが付いている場合は注意信号です。とはいえ初めてPRを行うインフルエンサーも多いので、実績が無いからといって除外する必要はありません。その場合は他の項目(普段の投稿の雰囲気やファンとのやり取りなど)から総合的に判断しましょう。
- 投稿コンテンツの質とスタイル: インフルエンサーごとに文章の書き方、写真の撮り方、動画編集のスタイルなどコンテンツの雰囲気が異なります。自社のブランドイメージに合ったトーンで発信してくれる人かどうかも重要です。たとえば高級感を売りにする商品なのに、カジュアルすぎるノリで紹介されるとミスマッチに感じられるかもしれません。過去投稿を見て、ユーモア重視なのか真面目丁寧なのか、写真の世界観はどんな感じか、といった点もチェックしておきましょう。理想に近いテイストで発信している人であれば、コラボレーション後のミスマッチも起きにくくなります。
- 信頼性・人格面: インフルエンサー本人の人柄や信頼性も見逃せません。SNS上で炎上歴がないか、不適切発言で批判を浴びていないか、日頃のファン対応は誠実か、といった点です。インフルエンサーはある意味ブランドの顔となってもらう存在ですので、その人のイメージが企業イメージに直結します。過去に大きなトラブルを起こした経歴がある人物はリスクが高いでしょう。また、投稿における商品の紹介の仕方に誠実さが感じられるかも重要です。極端に誇張した表現ばかりする人よりも、良い点もそうでない点もバランスよく伝えている人のほうがフォロワーから信頼されています。
- 予算との兼ね合い: 最終的には予算内で収まるかも現実的な判断基準です。著名なインフルエンサーほど費用も高額になる傾向があります(数十万円~数百万円規模の案件も)。一方でフォロワー数が少ないナノ・マイクロインフルエンサーなら数万円程度、場合によっては商品の現物支給のみで引き受けてくれることもあります。予算に限りがある中小企業では、費用対効果をシビアに考えて、無理のない範囲で最大の効果を出せる人を選ぶことが大切です。なお、どうしても起用したい有名インフルエンサーがいる場合は、一度交渉してみる価値もあります。意外に協力的でリーズナブルな条件で引き受けてもらえるケースもあるためです。
以上のポイントを総合的に検討し、最適なインフルエンサーを選定しましょう。例えば、大規模な認知拡大が目的で幅広い層にリーチしたいならテレビでも活躍するような有名人クラスのインフルエンサーを起用する戦略が考えられます(実際、ZOZOTOWNは女優の吉岡里帆さん(フォロワー1600万超)を起用してファッションアプリの認知度向上に成功しています)。逆に、特定のニッチな層に響けば十分という場合は、そのコミュニティで信頼を得ている業界特化型のインフルエンサーを狙うと良いでしょう。

複数の候補をテストして比較する
一人に絞り込む前に、複数のインフルエンサーに同時に声をかけ、テスト投稿で反応を見てみるのも有効です。それぞれに小規模な案件を依頼し、成果や対応の良さを比較します。特に初めて取引する相手の場合、本番で「思ったような投稿をしてくれなかった」「コミュニケーションが取りづらかった」というリスクもゼロではありません。テストを経て信頼できると判断できた人と本格的なキャンペーンで再契約する形にすれば、安全性が高まります。
ただしインフルエンサー側の都合もありますので、テスト目的と伝えるよりは「まずは単発で1本お願いし、よければ継続も検討したい」と柔らかく提案する方が良いでしょう。
エージェントやプラットフォームの活用も検討
自社で探すのが難しい場合、インフルエンサーキャスティング会社(エージェント)
に依頼する方法もあります。プロのネットワークから商品に合った候補者を提案してもらえるため、失敗が少なく安心です。費用はかかりますが、効率よく進めたい場合に有力な選択肢です。
また、最近ではインフルエンサーマッチングプラットフォーム(例:タレントバンク、コラボ専用アプリ等)も増えてきています。これらを利用すると、登録している多数のインフルエンサーの中から条件検索で探し、直接依頼を出すことができます。口コミや評価システムがあるサービスもあるので参考になるでしょう。
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まとめ:適切なパートナー選びが成功への第一歩
インフルエンサー選びのポイントを見てきましたが、最も大事なのは自社の商品・ブランドを本当に良いと思って情熱を持って伝えてくれるパートナーを見つけることです。フォロワー数や数字だけでなく、人柄や熱意といった部分も含め総合的に判断しましょう。
理想のインフルエンサーと出会えれば、あとのプロモーション施策はぐっと進めやすくなります。じっくり時間をかけてでも、自社にとってベストな存在を見極めてください。
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