【業界別CVR比較】EC・BtoB・サービス業など平均CVRの目安を一覧で解説

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業界ごとに「どれくらいのCVRなら優秀と言えるのか?」は異なります。この記事では業界別の平均CVRの目安を具体的な数字で紹介し、自社のCVRを評価する参考情報を提供します。EC、BtoB、サービス業など主要なカテゴリー別に平均値や上位企業の水準を比較しながら解説します。
業界別平均CVRの一覧
まずは代表的な業界の平均CVRを一覧で見てみましょう(各値は参考となる調査データに基づきます)。
- EC(電子商取引)業界: 平均CVRは約2〜3%と言われます。ただし商品カテゴリによって開きがあります。例えばファッションや日用品では購入までのハードルが低いためCVRが比較的高め(3%前後)ですが、高額商品を扱うEC(家具・家電など)は1%台前半に留まることもあります。ある海外調査では「Shopping(買い物)」分野全体の平均CVRが5.0%と報告されていますが、これは業界内でもトップクラスの事例を含む数字でしょう。日本のECサイト平均としては2%台を一つの目標にする企業が多い印象です。
- BtoB(企業間取引)業界: 一般的に1%未満〜1%台前半と低めです。例えばソフトウェアやSaaSサービスのリード獲得(無料トライアル登録など)では0.5%〜1.5%程度が目安と言われます。ContentSquareの調査ではB2Bサイト平均CVRは0.6%とされています。CVRが低い要因として、BtoBは導入検討に時間がかかり複数人が関与するため、Web上で完結するコンバージョン(資料請求など)に至る割合が小さいことが挙げられます。
- サービス業界(旅行・宿泊・美容・教育など): 業種により幅がありますが、2%前後が一つの基準です。例えば旅行業界は平均2.4%とのデータがあり、美容(コスメやエステ予約等)では3%強と比較的高めです。一方、教育サービス(オンライン講座申込など)は1%台、人材サービス(求人応募率など)も1〜2%程度と見られます。また保険や不動産など人生の大きな決断系サービスは0.5%〜1%未満と低くなります。
- 金融・保険業界: オンライン完結型の商品(ネット証券の口座開設など)では1〜2%程度が平均的です。クレジットカード申込などはCVR数%出る場合もありますが、生命保険のように資料請求止まりになるものは1%以下のこともあります。
- アプリ・ゲーム業界: Webからアプリダウンロードやゲーム登録へのCVRは比較的高めで、5〜10%といった事例もあります。特に有名IPのゲームなどは広告経由CVRでも10%近くに上ることがあります。ただしストアに送客してからのインストール率など含めると下がるため、一概には言えません。
- 高額商品(自動車・高級品): これらの業界は突出してCVRが低い傾向です。自動車販売ではWebから試乗申込や見積依頼になる率が0.5%以下と報告されています。高級ブランド品もオンライン購入率は極めて低く、CVR0.8%程度とのデータがあります。高価格ゆえに顧客がすぐ購入に踏み切らないためです。
上記のように、業界平均CVRは数%から1%未満まで業種で差異があります。自社が属する業界・ビジネスモデルに近い指標を基準として捉え、自社サイトのCVRと比較してみましょう。

業界平均値を読む際のポイント
- コンバージョン定義に注意: 同じ「EC業界」でも、コンバージョンを「購入完了」に設定するか「カート投入」にするかでCVRは変わります。他社データと比較する際は、その定義が自社と一致しているか意識してください。できれば「購入完了率」「問い合わせ送信率」など具体的に揃えて比較しましょう。
- 国や市場規模の違い: ここで挙げた数値には海外調査も含まれています。日本国内のユーザー習慣とは異なる場合もあります。例えば米国は返品文化などからEC購入への心理的ハードルが低い傾向がありCVRが高め、逆に日本は慎重なので低め、などの違いも指摘されています。可能なら国内データを探すか、海外データの場合は若干差し引いて考えるとよいでしょう。
- 平均と上位の差: 平均値だけでなくトップ層のCVRも参考になります。WordStream社の分析では「上位10%の広告主のCVRは平均の3-5倍」といったケースもあるようです。つまり平均2%の業界でも、トップ企業は5〜10%のCVRを叩き出している可能性があります。自社が業界でリーダーを目指すなら、平均ではなく上位層の水準を目標に設定するのも一つです。
- 時間帯やデバイス差: 業界平均データにはデバイス別・時間帯別の違いまでは含まれないことが多いです。例えばBtoCサービスではモバイルCVRが低くPCが高い傾向や、平日昼より夜の方がCVR高い等があります。自社データを見るときはそのような切り口でも分析し、業界平均と単純比較しないよう注意しましょう。
業界平均を自社戦略に活かす
業界別CVRの目安を知ったら、それを自社の改善ターゲットとして活用します。例えば自社CVRが業界平均を大きく下回っている場合、その差分を埋める施策を優先すべきですし、逆に平均以上なら自社の強みとしてさらに伸ばす戦略や他のKPI(客単価アップ等)に注力する判断もできます。
また、営業戦略上「当社サイトのCVRは業界平均の○倍」というアピールができれば、自社のWeb施策の優秀さを示す指標にもなります。社内稟議や経営層への説明でも客観データがあると説得力が増すでしょう。
ただし何度も述べているように、平均は目安に過ぎません。大事なのは自社の過去との比較(昨年より上がったか)や利益との関係(CVR上がってROIはどうか)です。業界平均を気にしすぎて本末転倒にならないよう注意しましょう。
まとめ: 業界平均CVRを知ることはスタート地点です。それを踏まえて自社の目標CVRを設定し、継続的な改善でその目標をクリアしていくことが大切です。業界平均は常に変動しますので、定期的に最新データをチェックしつつ、自社の成長指標として活用してください。