中小企業のマーケ担当者必見!!|GA4のコンバージョン設定ガイド

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マーケティング担当者の皆さん、こんにちは!Webサイトの成果を最大化するには、Googleアナリティクス4(GA4)でのコンバージョン設定が欠かせません。UA(ユニバーサルアナリティクス)からGA4への移行で、「目標(ゴール)」の設定方法が変わり戸惑っていませんか?本記事では、GA4におけるコンバージョン設定の基本から具体的な手順まで、初心者にもわかりやすく解説します。さらに、設定ミスを防ぐポイントや旧GAとの違い、そして関連トピックへの内部リンクも用意しました。ぜひ最後までお読みください。

GA4のコンバージョン設定とは?概要をチェック
コンバージョンとは、サイト上でユーザーに達成してほしい重要なアクション(例:問い合わせ送信、購入完了など)のことです。GA4では、このコンバージョンをユーザーのイベントとして捉え、指定したイベントを「コンバージョンとして計測」する仕組みになっています。UAでいう「目標(ゴール)」に相当しますが、GA4ではUAと異なりコンバージョン専用の目標設定画面がなく、代わりにイベントをマークする形で設定します。
GA4のコンバージョン設定の流れを簡単に言うと、「コンバージョンにしたいユーザー行動をイベントとして計測し、そのイベントをGA4上でコンバージョンとして指定する」という手順になります。たとえば「お問い合わせフォーム送信」や「購入完了」といった重要な行動をイベントとしてトラッキングし、GA4管理画面でそのイベントをコンバージョンに設定することで、以降そのイベント発生回数がコンバージョン数としてレポートされます。
ポイントは、GA4ではイベントを登録するだけではコンバージョン数にカウントされないということです。ちゃんと「コンバージョンとしてマーク」をオンにしないと、せっかくのイベントもコンバージョン指標には反映されません。裏を返せば、どのイベントをコンバージョンと見なすかを自分で自由に決められる柔軟さがGA4にはあります。
基本設定方法(初心者向け):コンバージョン設定の手順
それでは、GA4でコンバージョンを設定する基本的な手順を見ていきましょう。初心者の方でも取り組みやすいよう、ステップバイステップで説明します。
コンバージョン設定の基本ステップ
- コンバージョンにしたい行動をイベントとして取得する。まずはユーザーの特定の行動を計測するイベントを用意します。これはGA4が自動収集しているイベントの場合もありますし、自分でカスタムイベントを設定する場合もあります(イベントの具体的な設定方法は後述します)。
- イベントが実際に発生する。設定したイベントがユーザーによってトリガーされ、GA4上にデータとして現れます。例えば問い合わせフォーム送信後のサンクスページ閲覧イベントや、購入完了時の
purchase
イベントなどが発生する状況を用意します。 - GA4管理画面でそのイベントをコンバージョンとしてマークする。イベントがGA4に記録されたら、GA4の管理画面から該当イベントを選び「コンバージョンとしてマーク」をオンにします。これで以後、そのイベントが発生するたびにコンバージョンとしてカウントされます。
初心者の方には、GA4の管理画面上で設定する方法がおすすめです。GA4ではコードを触らなくても、管理画面からイベントを作成・編集することができます。例えば「特定のページURLを表示したらコンバージョンにする」といった条件付きイベントもGA4上で作成可能です。一方、より高度な設定や細かいトラッキングをしたい場合はGoogleタグマネージャー(GTM)を使う方法もあります。GTMを使うと、サイトのHTMLコードを直接編集せずにイベントを発火させられるため、マーケ担当者でも比較的管理しやすいでしょう(GTM連携については「Googleタグマネージャーとの連携方法」のサブページで詳しく解説します)。
✅ヒント: GA4では一部のイベントが最初からコンバージョン設定されています。例えばpurchase(購入完了)など5つのイベントはGA4プロパティ作成時に自動的にコンバージョンとして登録済みです。そのため、ECサイトの場合はpurchase
イベントを実装すれば追加の設定なしでもコンバージョンにカウントされます。ただし自動登録されるのは5つまでで、それ以外は最大30個まで自分で追加可能です。

ユニバーサルアナリティクス(UA)との違い
「UA(旧GA)では目標を設定してたけど、GA4ではどう違うの?」と疑問に思っている方も多いでしょう。GA4とUAのコンバージョン設定には主に5つの違いがあります。簡単にまとめると以下の通りです。
- 目標(ゴール)設定の廃止: UAにあった「目標」の概念がGA4にはありません。UAでは到達ページや滞在時間など4種類の目標タイプがありましたが、GA4ではそれらを直接設定する項目がなくなりました。
- コンバージョン=イベント: GA4ではコンバージョンはすべてイベントとして定義します。ユーザーの行動を自由にイベント化できるので、従来より幅広い指標をコンバージョンとして計測可能です。
- コンバージョン設定が必須: GA4ではイベントをコンバージョンとしてマークしないとコンバージョン数が計測されません。UAでは目標を設定すれば自動計測されましたが、GA4はイベントを登録しただけではダメで、必ずコンバージョンとして指定するひと手間が必要です。
- コンバージョン数のカウント方法: GA4では同一セッション内でもコンバージョンイベントが発生するたびにカウントされます。UAでは1セッション中の複数回の達成でも1回とみなしていましたが、GA4は例えば1人のユーザーが1回の訪問で2回コンバージョン行動をすれば「2」と計上されます。この違いにより、GA4の方がUAよりコンバージョン数が多く計上される場合があります。
- 設定可能なコンバージョン数: GA4では1プロパティあたり最大30個のコンバージョンイベントを設定できます(※purchaseなど自動設定の5つを除くと追加で25個まで)。UAではビューごとに目標は20個までという制限でしたので、GA4の方が余裕があります。ただし無闇に増やしすぎると管理しにくくなるため、本当に重要な指標に絞ることが大切です。
以上が主な違いです。まとめると、GA4では「自由度は高いが手動設定が増えた」と言えるでしょう。UAに慣れている方は最初戸惑うかもしれませんが、その分GA4ではサイトやビジネスに合わせた柔軟なコンバージョン計測が可能になっています。
コンバージョン計測が重要な理由
マーケティング担当者にとって、コンバージョン計測はなぜ重要なのでしょうか?理由はシンプルで、コンバージョンこそがビジネスの成果を示す指標だからです。
例えば問い合わせ数や購入数といったコンバージョンデータが分かれば、どの集客施策が効果的かを判断できます。コンバージョンを計測せずにPVや滞在時間だけ見ていても、実際に売上やリード獲得につながったかは分かりません。GA4でコンバージョンを正確に追跡すれば、「どの流入経路から来たユーザーが購入したか」「コンバージョン率は何%か」といった具体的な分析が可能になります。
さらにGA4ではコンバージョン経路の分析やLTV算出、顧客行動の可視化など高度な分析もできます。例えば「コンバージョンしたページ」や「流入経路ごとのコンバージョン数」などのレポートも標準で用意されており、サイト改善のヒントが得られます。コンバージョンデータをしっかり計測することで、マーケティングROIの最適化や広告キャンペーンの改善に役立つのです。
要するに、コンバージョン計測はマーケ施策の成果を計る物差し。中小企業でリソースが限られていても、GA4のコンバージョンデータを活用すれば、効果の高い施策に絞って投資したり、サイトのどこを改善すべきかを明確にしたりできます。「測定できないものは改善できない」とも言いますから、まずは確実にコンバージョンを計測できる環境を整えましょう。

設定ミスを防ぐためのポイント
GA4でコンバージョン設定を行う際によくあるミスと、その防止策をまとめました。せっかく設定しても正しく計測されなければ意味がありません。以下のポイントに気を付けて、設定ミスによる計測漏れを防ぎましょう。
- 事前にテストと検証を行う: 設定後は必ずリアルタイムレポートでイベントが反映されるか確認しましょう。GTMで設定した場合はプレビューモードでテストし、イベントが発火するか確認します。テスト用に実際にフォーム送信や購入処理を行い、GA4の「リアルタイム > イベント」でカウントアップすることを確認するのが確実です。
- イベント名・条件の設定ミスに注意: イベントをカスタムで設定する際、条件の指定ミスやタイプミスがないよう注意します。例えばページURLの一致条件やクリック要素の選択などが間違っているとイベントが発火しません。また、イベント名はできるだけ公式の推奨イベント名を使うことを検討してください(例:購入完了なら
purchase
を使用)。推奨イベント名を使うことで、GA4のレポートで標準指標と紐づきやすくなります。逆に何でもかんでも独自の名前でイベントを作成すると、何を計測しているか分からなくなる恐れがあります。既存のイベントで代用できる場合は無理にカスタムイベントを増やさないこともポイントです。 - 重複カウントに気を付ける: コンバージョンイベントが二重に発火しないよう注意しましょう。同じユーザー行動に対し複数のイベントタグが仕込まれていると、コンバージョンが二重計上されてしまいます。例えばGTMと直接埋め込んだタグの両方から同じイベントを送信していないか確認します。GA4プロパティを複数設置している場合も、それぞれで同じコンバージョンが計測されていないか注意が必要です。
- 命名規則と管理を徹底する: イベント名やコンバージョン名はチームで統一した命名規則にすると管理が楽です。「contact_submit」「form_submit」のように類似するイベントが乱立すると混乱します。どのコンバージョンが何を意味するか後から見て分かるよう、名前はわかりやすく簡潔に付けましょう。必要に応じてメモやドキュメントに設定内容を記録しておくと安心です。
- コンバージョンの上限に留意: GA4ではコンバージョン設定できる数に上限(30件)があります。上限に達すると新しいコンバージョンが登録できなくなるため、本当に重要なKPIに優先順位を付けて設定しましょう。また不要になったコンバージョンはオフにするか削除して整理整頓することも大事です。
以上のポイントを押さえておけば、初めてGA4のコンバージョン設定に挑戦する場合でも大きなミスは防げるはずです。それでも「ちょっと自信がない…」という場合は、CTAから専門家に相談するのも一つの手ですよ。
GA4コンバージョン設定の具体例
最後に、GA4でコンバージョン設定を行う具体的な方法を例を挙げて説明します。ここでは「お問い合わせフォーム送信」をコンバージョンとして設定する手順を紹介しましょう。
ケース: 会社サイトに設置したお問い合わせフォームの送信完了ページ(サンクスページ)をコンバージョンとして計測したい。サンクスページのURLは example.com/contact/thanks
であるとします。
手順
- サンクスページを用意: まずお問い合わせフォームが正常に送信されると遷移するサンクスページ(thanksページ)があることを確認します。【参考】コンバージョンに至ったユーザーに表示するサンクスページは、フォーム送信が完了したことを示す重要なページです。GA4でコンバージョンを計測する際には、このようなサンクスページの表示を一つのトリガーとすると分かりやすいです。
- GA4で新規イベントを作成: GA4の管理画面に移ります。左下の歯車アイコン「管理」をクリックし、対象プロパティの「イベント」を選択します。イベント画面で「イベントを作成」をクリックしてください。
- イベントの条件を設定: 新規カスタムイベント作成画面が開いたら、イベント名や条件を入力します。ここではイベント名を例えば
contact_submit
とし、条件に「page_location(ページのURL)に /contact/thanks を含む」と設定します。これにより、ユーザーがサンクスページを表示したときにcontact_submit
イベントが発生するようになります。 - イベントを保存: イベントの設定内容を確認し「作成」または「保存」をクリックします。これでGA4にカスタムイベント「contact_submit」が登録されました。まだこの段階ではコンバージョンとしてはカウントされません。
- イベント発生を確認: 実際にサイトのフォームをテスト送信してみましょう。正しく設定できていれば、GA4のリアルタイムレポートで今作成した
contact_submit
イベントが記録されるはずです(数分かかる場合もあります)。イベント名が表示されない場合は条件設定が正しく機能していない可能性がありますので再チェックしてください。 - コンバージョンとしてマーク: リアルタイムでイベントを確認できたら、いよいよコンバージョンに指定します。GA4管理画面で「コンバージョン」設定の画面を開きます(※ナビゲーションから「イベント」を開き、対象イベント行のトグルをオンにするか、「コンバージョン」メニューから新規にイベント名を登録する方法があります)。先ほどの
contact_submit
をコンバージョンに追加しましょう。トグルをオンにすると、以降このイベントはコンバージョンとして計測されます。 - 計測の確認: 設定後、再度フォーム送信を行いコンバージョンとしてカウントされるか確認します。GA4の「エンゲージメント > コンバージョン」レポートなどで
contact_submit
のコンバージョン数が増えていれば成功です。今後はGA4上で問い合わせフォーム送信数をコンバージョン数として追えるようになりました。
以上が基本的な流れです。この例ではGA4の管理画面からイベントを作成する方法をご紹介しました。別の方法としてGTMを使うケースもあります。例えば、フォーム送信のタイミングでGTMから直接GA4にイベント(例えばgenerate_lead
など)を送信するようタグを設定することも可能です。その場合はGA4上で新規イベントを作成する手順を省略できますが、GTM側での設定が必要になります。GTMを利用したイベント送信について詳しく知りたい方は、「イベントトラッキングの設定方法」のサブページをご参照ください。
ワンポイント: コンバージョン設定後は、実際の数値がきちんと取れているか定期的にチェックしましょう。GA4の標準レポートやエクスプローラ(探索)機能を使えば、コンバージョンしたユーザーの経路分析や属性分析も可能です。例えば購入完了コンバージョンなら、GA4の「収益化レポート」でECサイトの収益や購入者数を確認できます。計測したコンバージョンデータを活用して、さらなるサイト改善とマーケティング施策の最適化につなげてください。
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