Googleタグマネージャーとの連携方法

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GA4のデータ計測をより柔軟かつ正確に行うには、Googleタグマネージャー(GTM)との連携が有効です。この記事では、GA4×GTM連携のメリットや基本設定、活用ポイントについて解説します。GTMを使いこなして、GA4から必要なデータを漏れなく収集できる環境を整えましょう。
GA4とGTMを連携するメリット
Googleタグマネージャーはサイトの様々な追跡コードを一元管理できるタグ管理プラットフォームです。GA4も例外ではなく、GTMを用いて導入・運用することができます。連携する主なメリットは次のとおりです。
- コーディング不要でタグ管理: GTM上のGUIで設定できるため、開発者に都度依頼せずともトラッキングコードの追加・変更が可能です。マーケ担当者自身がGA4のイベント追加や変更を行えるので、分析ニーズに素早く対応できます。
- 複数タグの一元管理: GA4だけでなく、Google広告のコンバージョンタグやFacebookピクセルなど様々なタグをまとめて管理できます。一つのトリガー(例:購入完了)で複数のツールにイベント送信する設定も容易です。これにより、異なるプラットフォーム間で計測のタイミングを揃えやすくなり、データの一貫性向上にも寄与します。
- バージョン管理とプレビュー: GTMにはバージョン管理機能があり、タグ変更履歴を残せます。また本番公開前にプレビューモードでテストできるため、設定ミスによるデータ欠損を事前に防げるのも大きなメリットです。例えばGA4のタグが正しく発火するか、実際のユーザー操作を再現して確認できます。
- 柔軟なルール設定: GTMではトリガーと呼ばれるルールを細かく設定できます。GA4だけでは難しい複雑な条件付きのイベントも、GTMでカスタムJavaScriptや正規表現を使って検出し、GA4に送信することが可能です。これによりGA4のデータ取得精度が向上します。
総じて、GA4とGTMを組み合わせることで「より正確で網羅的なデータ収集」と「運用負荷の軽減」が実現できます。中小企業のウェブ担当者にとっても、GTMを導入しておけば将来的なサイト改修やマーケ施策拡大に伴うトラッキング変更に柔軟に対処できるでしょう。

GTMを用いたGA4設定の基本
GA4とGTMの連携は、具体的にはGTM内にGA4用のタグを作成することから始まります。既に「イベントトラッキングの設定方法」や「Eコマースのコンバージョン計測」で一部触れましたが、ここでは初歩から整理します。
- GTMコンテナの作成と設置: まだGTMを導入していない場合、まずGTM公式サイトでアカウントとコンテナを作成します。コンテナスニペット(2つのコード片)を自社サイトの全ページに埋め込みます。これでGTM経由でタグを配信する準備ができました。
- GA4設定タグの作成: GTMのワークスペースで「タグ」を新規作成し、タグタイプに「Googleアナリティクス: GA4 設定」を選びます。測定ID(G-で始まるコード)を入力し、トリガーには「All Pages(全ページ)」を指定します。これを公開すると、GA4のグローバルタグをサイト全体に設置したのと同じ状態になります。以後、このGA4設定タグがベースとなってイベント送信などを行います。
- GA4イベントタグの作成: コンバージョンやその他トラッキングしたいイベントごとに、GA4イベントタグを作成します。タグタイプは「GA4 イベント」、先ほどの設定タグを参照(設定タグ欄に既存のGA4設定タグを選択)し、イベント名・パラメータを指定します。トリガーにはそのイベントを発火させる条件(例:特定のページ表示、クリック、フォーム送信など)を設定します。この部分はケースバイケースなので、詳細は個別のシナリオに応じて設定しましょう。
- テストと公開: すべてのタグとトリガーを設定したら、GTMのプレビューモードで実際にイベントが正しく発火するか確認します。GA4のデバッグビュー(デバッグモード専用のリアルタイム画面)を使うと、イベントパラメータの詳細まで検証できます。問題がなければGTMの変更を公開(Submit)します。一度公開すれば、以降その設定が全ユーザーに対して有効になります。
以上が基本的なGA4タグの設定手順です。GTMの使い方自体は慣れが必要ですが、一度GA4のコンバージョン設定をGTM管理にしておけば、以後の調整や追加が格段にやりやすくなります。

GTM連携でGA4計測を最適化するポイント
最後に、GTMとGA4を連携運用する上でのポイントやコツをいくつか共有します。
- 不要なタグの整理: GA4をGTM経由にしたら、サイトに直接埋め込んでいた旧UAや他の重複するタグは削除しましょう。二重計測の原因になります。また、GTM内でも使っていないタグやトリガーは無効化・削除しておくと管理しやすくなります。
- タグ実行順序の調整: 複数のタグが同じタイミングで発火する場合、GTMではタグごとに優先順位を設定できます。例えばコンバージョンに関連するタグを先に実行し、解析用のタグを後にする、といった調整が可能です。通常は気にしなくても良いですが、特定の順序で動かしたいときには「タグのシーケンス」機能を使ってみてください。
- GTMの組織権限: チームでGTMを運用する場合、誰が変更できるか権限管理も検討しましょう。誤って不要な変更をされるリスクを減らすため、閲覧のみ権限と編集権限を使い分けます。中小企業では担当者一人に任せきりというケースもありますが、万一退職時に引き継ぎができるよう、アカウント情報や設定内容のドキュメント化も行っておくと安心です。
- 定期的な見直し: サイトリニューアルや新規キャンペーン開始など、大きな変更時にはGTMの設定も見直しましょう。ページ構成が変わればトリガー条件の修正が必要ですし、新しいKPIが生まれればそれに応じたイベント追加も検討します。常に現状のサイト目的に即した計測ができているか、四半期ごとなど定期的に棚卸しするのがおすすめです。
GTMとの連携により、GA4のデータ取得は格段にパワーアップします。最初は難しく感じるかもしれませんが、一度軌道に乗れば「欲しいデータが取れない…」と悩む場面が減るでしょう。GA4とGTMを上手に連携させて、データドリブンなマーケティングを推進してください。
内部リンク: 具体的なイベント設定手順については前述の「イベントトラッキングの設定方法」で解説しています。また、ECサイトでのGTM活用方法は「Eコマースのコンバージョン計測」でも触れました。必要に応じて行き来しながら、理解を深めてみてください。
これらのガイドを参考に、GA4のコンバージョン設定をマスターしていただければ幸いです。正確なコンバージョン計測は、マーケティング施策の効果測定やサイト改善の羅針盤となります。ぜひ積極的に活用し、マーケティングを次のレベルへ引き上げてください!
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